エレベーターは1980年代のバブル期を境に急増し、現在は国内で90万台ほどが稼働している。一般的に寿命は20〜25年程度とされるが、1千万円以上の費用がかかる全面改修を避け、一部の装置の入れ替えで対応することが少なくない。巻き上げ機などの主要な装置を入れ替えても、古い部分が故障を誘発するケースもある。
また、新旧の装置が混在すればエレベーターごとに注意してみなければいけないポイントが変わり、丁寧な対応が必要となるが、保守・点検の現場は低コスト、時短へと傾いているという。
エレベーターのメンテナンス会社で構成する「日本エレベータ保守協会」の田中陽一理事は「昔と比べて保守・点検にかける費用も時間も少なくなっている」と話す。一般的なマンションのエレベーターの点検費用は1回あたり3万円前後が相場だったが、田中氏は「1万円台やそれ以下で請け負っている業者が増えている。利益が少ないので短時間で仕事を終えようとして手抜きになる恐れがある」と指摘する。エレベーターを長時間止めることを嫌がる依頼者も多く「1時間を超えると苦情がくることもある」という。
扉があいた状態でかごが動くことを防ぐ安全装置もコストの問題から設置が進んでおらず、十分な安全が確保されているとは言い難い状況だ。
「ジャングリア沖縄」はなぜ叩かれるのか? 大自然と人工恐竜の没入感ギャップcopyright (c) Sankei Digital All rights reserved.
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