長浜淳之介(ながはま・じゅんのすけ)
兵庫県出身。同志社大学法学部卒業。業界紙記者、ビジネス雑誌編集者を経て、角川春樹事務所編集者より1997年にフリーとなる。ビジネス、IT、飲食、流通、歴史、街歩き、サブカルなど多彩な方面で、執筆、編集を行っている。
1970年の大阪万博にて、米国ゾーンにステーキレストランなどを出店して万博内の各国レストランで売り上げ1位になった、ロイヤルホールディングス(当時・ロイヤル)が、55年の歳月を経て大阪万博に帰ってきた。
今回の店名はシンプルに「ラウンジ&ダイニング」。メインのダイニングは、世界のグルメを一堂に集めたような、ビュッフェ形式のレストランとなっている。コカ・コーラ ボトラーズジャパンホールディングスとの共同出店であり、コカ・コーラはドリンクを担当している。
世界各国のナショナルデーの催しが行われるホール「レイガーデン」の2階に位置し、席数は260席の大箱だ。そのうち、ビュッフェを備えたダイニングは170席ほどで、1日平均600人ほどが来店する繁盛店となっている。午前11時のオープンと同時にどっと客がなだれ込む。
料金は大人9680円と高額で強気な価格だが、せっかくの万博だからと、奮発する人も多い。高額グルメには違いないが、味に定評あるロイヤルホールディングスの経営でもあり、万博内では珍しいクーラーが効いてゆっくりできる場所であることもトータルして考えると、この店が選ばれる理由が納得できる。ナショナルデーホールとも連携して、国内外の要人にも楽しんでもらえる、本格的なグルメの館として構築している。
人気ファミレスの「ロイヤルホスト」を運営しているだけに、ロイヤルホストの万博バージョンとして出店していれば、もっと人が押し寄せていたとも思うのだが、店名は万博協会からあらかじめ決められていたという。
「スシロー」や「くら寿司」、たこ焼き「くくる」、串カツの「だるま」などは、内容を万博仕様に変えているが、通常の店名で出店して行列が絶えない状況となっている。ところが、「ラウンジ&ダイニング」は「ロイヤルホスト」の会社が運営しているとは知らないで来店する人も多く、ビュッフェで提供されているジャワカレーやビーフシチューなどの味から気付く人もいるという。
それでも、万博内唯一のビュッフェでもあり、そこに魅力を感じて1日に3回転以上するのだから、万博会場内の外食需要は高いのだろう。万博の外食のあり方を同社が知り尽くしているからこその、今回の提案なのである。
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