鮓 晴日は、大阪府内の約500店で構成される、大阪府鮓商生活衛生同業組合が出店している。働いているすし職人は全国の腕利きが集まるドリームチームだ。
東京のにぎりずし、大阪の押しずし、京都や福井の棒ずしなど、すしのさまざまな技法を使ったコースを提案。あまたある市中のすし店では、なかなか体験できない、ドリームチームだからこそのメニューだ。各地のすし文化の違いを比較しながら実食できるようにしており、1万8000円と2万2000円のコースがある。高額だが、東京では10万円くらいする超高額すしの人気店もあるので、すしに関する学びも含めれば、むしろリーズナブルといえるだろう。
同店のすし職人は、各都道府県の鮓組合の技術委員を務める人も含まれており、目黒秀信氏は東京都稲城市にある「ヨロシク寿司」の大将。目黒氏は『すしの技術大全』(誠文堂新光社)の著者であり、すしの技術の継承に熱心な人だ。このような心あるすし職人が集結して、大阪万博ですしの真髄を伝えようとする熱い場所が鮓 晴日なのである。
今回の万博は、高額グルメが庶民の生活感とかけ離れていると批判の的となった。確かに「インバウン丼」のように、取って付けたように高級食材を使ったものなら批判されるだろう。実際、大阪万博の中にもそうしたものは散見される。
ラウンジ&ダイニングの価格も高額だが、厳選した素材をしかるべき調理法で作り上げている点で、全く異なる。万博で未来の食を垣間見たい人、すし、鉄板焼について深く知りたい人、ゆったりと個室で会食したい人にとっては、特別な体験となるサービスを提供している。
長浜淳之介(ながはま・じゅんのすけ)
兵庫県出身。同志社大学法学部卒業。業界紙記者、ビジネス雑誌編集者を経て、角川春樹事務所編集者より1997年にフリーとなる。ビジネス、IT、飲食、流通、歴史、街歩き、サブカルなど多彩な方面で、執筆、編集を行っている。著書に『なぜ駅弁がスーパーで売れるのか?』(交通新聞社新書)など。
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