そこに加えて、多くの人々を不幸な気持ちにしているのは「ハッピーセットの大量廃棄」だ。
おもちゃ目的でハッピーセットを20個も30個も購入する人たちは、当然全てのハンバーガーやポテトを食べきれないので、手を付けずにサクッと捨てていく。SNSでは店内のゴミ箱の上に「おもちゃだけ抜かれたハッピーセット」が大量に捨てられている写真も投稿されている。
相次ぐ物価高騰と、なかなか上がらない賃金で食費を抑えて生活しているような人からすれば、かなりイラッとくる光景だ。また、食品ロス削減に必死に取り組んでいる人たちにとって、自分たちの努力をあざ笑うような行為で無力感に包まれるはずだ。
そんな不幸な気持ちは、マクドナルドの店舗で働いている皆さんも同じだ。
マクドナルドは2050年までに、店舗、オフィス、サプライチェーン全体でネット・ゼロ・エミッションを達成するという目標を掲げて、常日頃から「食品ロス削減」に取り組んでいると胸を張っているからだ。
日本マクドナルドは、米マクドナルド社が2021年10月4日に発表した「2050年までにネット・ゼロ・エミッション達成」に向けたグローバルコミットメントに参加し、日本でも気候変動対策を強化することを発表していた例えば、マクドナルドは注文してからハンバーガーなどをつくる「Made for You」システムを導入したことで、約50%の商品廃棄削減を達成した。それにより2017年には「食品産業もったいない大賞 農林水産省食料産業局長賞」を受賞している。
そんな自他共に認める「食品ロス削減先進企業」の現場で、ほとんど手を付けられていないハンバーガーやポテトが大量廃棄されている。しかもそれが「ハッピーセット」というのは、ブラックユーモアがききすぎている。食品ロス削減に取り組むマクドナルドクルー(販売員)の皆さんもさぞ「脱力」したはずだ。
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