となると、「子どもが買えないハッピーセット問題」に対して、マクドナルドがやるべきことは一つしかない。本来の顧客である「お子さま」に喜んでもらえるような販売方法の確立である。
……という話をすると、「どうやって小学生以下を見極めるのだ、それをいちいちやっていたら店は大混乱だ」とか「ファミリー層以外の客を切り捨てるようなことができるのか!」などと反対意見が多く寄せられるだろうが、これはマクドナルドの「本気」でどうにもなる話だ。
まず、オペレーションに関しては、ディズニーランドなどの巨大テーマパークの入場券売り場や、「お子さまランチ」を出すレストランでも現場スタッフたちは児童の年齢を目視で見極めてしっかりと対応している。
例えば、ディズニーリゾートは3歳までは無料だが、体が大きい子どもの場合はスタッフが「おいくつですか?」などと声をかけるが、そこで証明書などを求められることはない。
1日数万人も訪れる施設やレストランで当たり前にやっている対応を、マクドナルドだけが「できない」というのなら、それは単に「面倒くさいからやりたくない」というだけの話だ。
また、「ファミリー層以外の客を切り捨てたことで、売り上げ低迷」みたいな心配もナンセンスな話だ。
今回、手を付けずにハンバーガーやポテトを捨てる転売ヤーや熱心なコレクターたちは、このようなイベントのときにはカネを落とすが、マクドナルドの「顧客」ではない。ハッピーセットを楽しみにしているファミリー層という本来の「顧客」を大事にしたほうが長い目で見れば、同社の利益につながる。
しかも、もっと言ってしまうと、この手のやりとりは過去にもあった。
マクドナルドが顧客対応を大きく変えようとした際に「店舗が大混乱だ」「売り上げが落ちて店が潰れるぞ」と脅しのようなことをたくさん言われるのだが、実際にやってみたら何の問題も起きず、むしろ業績が上がったのだ。
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