Deep Research(リサーチモード)は、2025年初頭の登場以来「情報を詳細に集め、レポート形式で提示する」能力で注目されてきた。ただし従来は利用モデルを選択できず、基本的にシステム側の判断に委ねる形だった。
GPT-5シリーズでは、この制限が解消され、任意のモデルに対してDeep Researchを適用できるようになった。また、同じモデルを使った場合でも、通常チャットに比べて出力が長く、情報量が増える傾向がある。これは、Deep Researchがより多くの外部情報や参照元を調べ、それを整理して構成・提示するという、情報取得から提示までのプロセス全体を担っているためだ。同じ質問でも、通常チャットよりも詳細かつ包括的な回答を得られることが多い。
つまり、情報の精度や分析の深さはモデル選択でコントロールし、情報の収集範囲やその構成・提示の方法はDeep Researchを使うかどうかで決めることになる。
この組み合わせにより、例えば日常業務の簡易調査は標準のGPT-5とDeep Researchでまとめ、高度な調査や裏付けが必要な案件はGPT-5-ProとDeep Researchで対応する、といった柔軟な使い分けが可能になる。
従来の「精度重視のモード」から、「目的に応じた精度と表現形式を自由に組み合わせる調査機能」へと進化した点は、ビジネス利用において大きな意味を持つだろう。
新モデルの特徴を踏まえると、ビジネスパーソンが日常業務の文書作成や情報収集、思考の整理などに使う場合であれば、Plusプランで十分といえる。
一方で、高度なデータ分析を行う場合にはProプランで利用できる最上位モデルのGPT-5 Proが強みを発揮する。ただし、用途によってはオーバースペックになる場合もあるため、導入を決めるのはGPT-5/GPT-5 Thinkingをじっくり使い込み、それでも不満が残る場合に切り替える形がよさそうだ。
また、FreeプランはGPT-5を利用できる回数が少なく、GPT-5 miniは精度的に物足りないため業務利用には適さないだろう。
そして今回のアップデートで注目すべきは、Teamプランでも最上位モデルが利用可能になった点だ。組織として導入できる環境であれば、かなりコストパフォーマンスの高い選択肢となる。
今回の新モデルリリースでは、GPT-5モデルと入れ替わる形で廃止されたGPT-4oの復活を求める声も多くあがった。それを受けたOpenAIは、有料プラン向けにGPT-4oを再度利用可能にし、
GPT-5に「より温かみのある親しみやすいパーソナリティ」を追加することも発表している。GPT-4oの特徴だったユーザーに寄り添うフレンドリーな応答が失われ、「以前より冷たくなった」と感じるユーザーもいるようだ。
ただしビジネス利用においては、GPT-4oに比べて明らかに精度が向上し、広い用途で安定した出力が得られる点は大きな利点だ。感情面での印象が変わったとはいえ、業務効率や成果に直結する性能面では、GPT-5はより「頼れる相棒」になったといえる。
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