アイデアが浮かばない、こんな無駄な作業なくしたい――。ビジネスパーソンを悩ませる日々のさまざまな困りごと、ChatGPTに聞いてみませんか? ITジャーナリストの酒井麻里子氏がプロンプトの書き方を伝授する。
Q.情報の集約や整理に役立つと聞いてNotionを試したものの、使いこなせません。複数ツールに散らばる情報の管理を楽にするにはどうしたらいい?
日々の業務で扱うさまざまな情報がさまざまなツールに散らばってしまい、管理が煩雑になっている――。そんなときに役立つのがNotionだ。AIによる便利な機能も登場している。情報管理や集約に役立つNotionのAI機能の魅力を解説する。
ITジャーナリスト/ライター。生成AIやXR、メタバースなどの新しいテクノロジーを中心に取材。その他、技術解説やスマホ・ガジェットなどのレビューも。著書に『趣味のChatGPT』(理工図書)、『先読み!IT×ビジネス講座ChatGPT』(共著・インプレス)など。Yahoo!ニュース公式コメンテーター。株式会社ウレルブン代表。XRと最新テクノロジーのWEBマガジン「TechComm-R」運営。
Notionは、データベースを使って情報を構造化して管理できるのが強みだ。項目にあわせて日付や数値、選択式のタグなどのプロパティを設定でき、それをテーブルやカレンダー、ボードなどのさまざまな形式(ビュー)で表示できる。
柔軟な情報集約と整理が可能になることが魅力だが、多機能ゆえに初心者は最初の設計段階でつまずきやすい。そんなNotionのデーターベース設計をサポートするのがNotion AIだ。
データベースを新規作成するときに、「○○のデータベースを作成」と指示するだけで必要な項目が設定されたデータベースが生成される。
例えば「サブスクを管理するデータベースを作成」と指示した場合、カテゴリや金額、契約サイクル、更新日などの項目が設定されたデータベースが作成される。カテゴリなどの選択項目もすでに入っていて、請求日をカレンダーで表示したり、時期ごとに支出額をグラフで表示したりするビューも設計されているので、すぐに使い始められる。
さらに、8月からは、既存のデータベースの編集もAIで行えるようになった。画面右下のアイコンからチャットを起動し、「重要度を5段階の★で表示するプロパティを追加」のように指示すれば、表に新しい列が追加される。
Notionに限らずデジタルツールでは、「やりたいことを実現するために、どんな設定をすればいいいか分からない」という壁にぶつかることが多い。そのハードルをAIで越えられるようになった。
なお、AIによるデータベース作成は無料プランのユーザーも利用できる。そういった意味でも初心者にやさしい機能だといえる。
音声起点の情報を素早く集約したいなら、デスクトップアプリで提供されている「ミーティングノート」が便利だ。ページ内で録音を開始すると、その場で音声の文字起こしが行われ、録音終了後は自動で要約が表示される。
ただし、音源の聞き返しはできず、話者識別やタイムスタンプ付与などの機能もないため、詳細な記録が必要な用途には向かない。そういった場合は文字起こし専用ツールを併用するのがいいだろう。
利用回数などに上限があるものの、無料プランでも試すことが可能。制限を気にせず使いたい場合は「ビジネス」(月額3800円 ※月払いの場合)以上のプランへの加入が必要となる。
会社やチーム単位で情報の集約・管理を効率化するなら、Notionを基点に各種サービスを横断検索できる「エンタープライズサーチ」が役立つ。これは、Microsoft SharePointやTeams、Google Workspaceと連携し、Notionからの横断検索を可能にするものだ。
利用要件として、連携するMicrosoft 365やGoogle Workspaceの管理者とNotionワークスペースのオーナが一致している必要があるなどの制約があるため、組織全体としての導入が前提となるが、複数の場所に散らばっている情報のハブとしてNotionを有効活用できるようになる。
初心者の導入ハードルがAIで解消され、音声や外部ツールの情報も扱いやすくなったことで、Notionの情報集約場所としてのポテンシャルはより高まっている。これまで「設定が複雑で使いこなせない」と敬遠していた方も、AI機能を活用すれば情報管理に役立てることができるはずだ。
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