なぜ売れた? イワタニの4万円鉄板プレート、1カ月半で1200万円突破(2/5 ページ)

» 2025年09月01日 06時00分 公開

開発で直面した課題

 構想を始めた2022年当時は、コロナ禍でキャンプや家庭料理への関心が高まり、追い風が吹いている状況だった。同社マーケティング部長の本山孝祐さんは「ガス火の特徴を生かして、本格的な鉄板料理を自宅で楽しめるという提供価値を考えた」と語る。

 プロ仕様の調理道具を家庭で使えることをコンセプトに開発を進めたが、素材の選定、安全性、デザインの再現性で課題に直面した。

photo ホームシェフプレートの開発には2年を要した
photo 丸洗いも可能

 当初は鉄製プレートを検討したが、厚くすると焼き上手さんシリーズの耐荷重(食材込みで5キロ)を超え、薄くすると焼きムラが出てしまった。さらに四角い形状ではゆがみが生じやすく、試作を繰り返す必要があった。

 「なかなかうまくいかず、開発自体がストップしそうになった」とマーケティング部新商品開発担当の山崎すみれさんは振り返る。

photo 「アルミクラッド三層鋼」
photo 同じ厚みの同社試作品で温度上昇を比較

 試行錯誤の中で採用した「アルミクラッド三層鋼」が転機となった。アルミの熱伝導性と、ステンレスの耐久性・保温性を組み合わせた構造により、プレート全体を均一に加熱でき、焼きムラを解消した。さらに重量は鉄の約半分に抑えられた。

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