なぜ売れた? イワタニの4万円鉄板プレート、1カ月半で1200万円突破(3/5 ページ)

» 2025年09月01日 06時00分 公開

安全性とデザインの両立

 プレートの製造は、金属加工会社のフジノス(新潟県燕市)が担っている。ホームシェフプレートのように、蓄熱性が高い大型プレートがボンベカバー上まで張り出すと、輻射熱(ふくしゃねつ)でコンロ全体が熱くなり、最悪の場合、ボンベが爆発する危険性がある。

 この課題に対し、プレート裏面に4本の足を溶接して高さを確保する設計を採用した。角度のある部分への溶接は難易度が高かったが、金属加工のノウハウを持つフジノスと連携して解決。結果として、一酸化炭素濃度や熱の影響など、安全基準を満たすことができた。

photo 「ホームシェフプレート」は焼き上手さんのプレート固定穴にはまるよう設計

 デザイン面でも、「プロ仕様の道具」というコンセプトからシャープで直線的なデザインを追求した。しかし、三層の違う素材が重なっているものをプレスして加工するのは、難易度が高かったという。職人と調整を繰り返し、最終的に理想の形状を実現した。

photo 職人が1枚ずつ作業
photo 研磨は1枚あたり約40〜50分ほどかけて行う

 製造工程では、レーザーカットした後のバリ取り(余分な突起など)から表面研磨まで、すべて手作業で行っている。加工に手間暇がかかるため、ホームシェフプレートの年間製造可能数は数百枚程度となっている。

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