新福菜館で修業した人が秋田で開業し、東北の人が好む味に進化させた「末廣ラーメン本舗」という店がある。仙台や都内にも進出していて、深夜に多くの人が締めに食べに来ていてにぎわっている。
こちらの中華そばも、当然黒っぽいが、そこまで真っ黒でない。刻みネギはとても控えめに入っていて、カウンターには追加用の刻みネギがあり、適量を入れると新福菜館の中華そばによく似た外見になる。末廣ラーメン本舗はヤキメシもかなり黒っぽく、秋田の人が好むように、料理全般の味は塩気が強くなっている。
このように、京都のラーメンを東北で独自に進化させたような人気店があるなら、京都のラーメンを東京の人が好むように改良したラーメンも、ありだろう。
末廣ラーメン本舗が新福菜館のラーメンを秋田の人が好むようしょっぱくアレンジしたのに対し、伍福軒は新福菜館のラーメンをベンチマークして東京の人が好むように背脂を入れた、といった感がある。
つまり伍福軒の黒いラーメンと、ヤキメシのルーツは新福菜館と見受けられるが、背脂は何がルーツなのだろうか。
天下一品は屋台の頃からこってり一筋のイメージがあるが、周知のとおり、あっさりラーメンも販売している。どういう商品かというと、これが背脂醤油ラーメンなのである。
とはいえ背脂は控え目で、ほんのりと入っている程度。天下一品の店員によると「あまりに背脂が多いと、こってりしてくるので、あっさりの趣旨に合わない。背脂は風味を足す程度に抑えている」とのことだ。伍福軒のラーメンはもっと背脂が目立つが、同様に脂っこいイメージにならない範囲にとどめている。天下一品のあっさりラーメンの背脂の使い方と、通底する考え方がある。
「天下一品」閉店の背景は? 唯一無二の“こってり”に陰りが見える理由
天下一品も参入? ラーメン×カレーの“二刀流”を実現する外食チェーンはどこかCopyright © ITmedia, Inc. All Rights Reserved.
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