本連載は、国際情勢やビジネス動向を深掘り、グローバルな課題とそれが企業に与える影響を分析する。米中関係やテクノロジー業界の変動、地政学的リスクに焦点を当て、複雑な要素を多角的に捉えながら、現代社会の重要な問題を分析。読者にとって成功への洞察を提供していく。
7月26日、佐賀県にある九州電力の玄海原子力発電所で謎の光が3つ確認された。光はドローンだった可能性が指摘されており、謎のドローンが原発の近くを飛んでいたとすれば、それは重大なセキュリティ問題になるだろう。
実は、自衛隊関係者が「自衛隊基地にも謎のドローンが飛来して逃げていくケースがある。しかも、誰が飛ばしているのかが分からないから心配だ」と筆者に吐露したことがある。ドローンは民間でも広く使われるようになったが、軍事的にも利用価値があると認められている。
そもそもドローンが一般に広く知られるようになったのは、米軍の対テロリスト作戦で使われたことがきっかけだった。その後、偵察機などとしても使われるようになり、ウクライナ戦争でも防空レーダーに見つかりにくいドローンは重要な兵器として使われている。
民間でも2010年ごろから、スタートアップ企業などによるドローンビジネスが盛り上がりを見せ、2015年には市場が40億ドル(約5900億円)規模に。そこから一気に成長し、2025年には160億ドル(約2兆4000億円)規模になっている。ドローン業界では中国が圧倒的な世界シェアを誇っており、ドローンメーカーのDJI(大疆創新科技有限公司)は7割以上のシェアを占める。
そんなドローンが最近また注目されている。国家の安全を脅かす懸念がある中国製ドローンの台頭に対抗すべく、米国政府が2025年末までにDJI製品を禁止するとされているからだ。
中国製の先端機器の導入が国家の安全にとってリスクになるというのがその理由だ。米国市場から締め出されるとなれば、その圧倒的な世界シェアを鑑みると、他の西側先進国も対応に追われることになるだろう。
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その採用、大丈夫? 日本にも広がる「民間企業のスパイ活動」Copyright © ITmedia, Inc. All Rights Reserved.
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