さて、Prime Video広告に話を戻そう。Prime Video広告はAmazon DSPを通じて配信されるため、Amazon.co.jpの購買データを活用してターゲティングすることもできるし、自社の商品・サービスと親和性の高い番組を指名して広告を出稿することもできる。
では、今回発表された3つの新フォーマットは以下の通りだ。
Prime Videoで動画広告が流れている間に、左側に「カルーセル」と呼ばれるバッジが出現する。これをリモコンで選択すると「カートに追加」などのメッセージが表示され、クリックするとPrime Videoを視聴しているAmazonアカウントのショッピングカートに商品が入る。その後はいつもAmazon.co.jpで買い物しているのと同様に、スマホやタブレットで購入するだけだ。
Prime Videoのコンテンツを視聴しているユーザーが一時停止ボタンを押したときに表示される広告。従来の動画広告は、「プリロール(コンテンツの再生が始まる前)」や「ミッドロール(コンテンツの再生されている間)」はAmazonやコンテンツプロバイダーが指定した箇所で強制的に流れていた。このインタラクティブポーズ広告は、ユーザーが意図的に停止した箇所で表示され、再び再生ボタンが押されるまで表示され続ける特徴がある。
ユーザーがその日初めてPrime Videoのコンテンツを視聴し始める際に、100%表示させることができる独占的な広告枠。多くのユーザーに強いインパクトを残せるため、新商品のローンチや大きなキャンペーンなどに最適だ。
このように新たなフォーマットの肝となるのが“インタラクティブ性”だ。これにより、ユーザー体験は単なる視聴から能動的なアクションも含むようになり、認知獲得から購買までをシームレスにつなげることができたのだ。先行して提供されている米国のデータによると、インタラクティブ性がない広告とある広告を比較した場合、インタラクティブ性がある広告のほうが、カートへの追加は6.3倍に増え、注文数も2.5倍に増えたという。
なお、このバッジに表示されるメッセージは、Amazon.co.jpで商品を販売していない広告主のために、「試乗を予約する」「今すぐ登録する」「資料を請求する」など、さまざまなパターンが用意されている。
今回紹介した3つの新フォーマットはAmazon Adsの“いま”を示すものだが、その革新性はそれだけにとどまらず、生成AIを活用した次世代の広告テクノロジーの構築にも取り組んでいる。リアルタイムで解析したコンテンツの文脈をもとに、関連性の高いメッセージを、動的にカスタマイズして配信するものだ。現在、この機能はテスト段階にあるが、将来的には日本市場でも展開していく予定だという。
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