ファミマが“衣料品専門店”を初出店 コンビニの他業種進出で小売はどう変わる?(4/5 ページ)

» 2025年09月18日 06時00分 公開
[谷頭和希ITmedia]

“街”化するローソン

 「スーパー化」でまず思い浮かぶのはローソンだ。

 ローソンは「まちかど厨房」と銘打ち、多くの店舗に店内厨房を設けて、作りたての弁当や総菜を販売している。

 さらに、無印良品とコラボすることで、雑貨の販売にも注力している。ローソンなのに無印良品に来たと錯覚するほど、大きな無印良品のコーナーが設けられている店舗が多い。

ローソンの一角を占める無印良品コーナー(出典:ローソン)

 つまり、ローソンに行けば作りたての弁当が買えることに加え、無印良品の雑貨やアパレルも購入できる。これもまた「コンビニのスーパー化」の一例といえる。

 ローソンはこうした取り組みに加え、一部の店舗で「LAWSONマチの本屋さん」として、通常店舗に書店を併設する試みも進めている。さらに、クオール薬局などの調剤薬局を併設する店舗や、小型のUFOキャッチャーを置く店舗なども存在する。つまり、ローソンの「書店化」「薬局化」「ゲームセンター化」が着実に進んでいるのである。

ローソンの薬局併設店舗(筆者撮影)
店内にUFOキャッチャーを設置(出典:ローソン)

 こうした流れが加速すれば、ローソンの中で総菜が買え、薬局や本屋もあり、ゲームも楽しめるようになる可能性もある。そうなれば、いよいよ「コンビニのショッピングモール化」だ。モールは一種の街だから、「コンビニの”街”化」といってもいいかもしれない。

 このように、既存の店舗形態が飽和したコンビニ市場において、各社が次なる一手を模索している。その結果、従来は自明とされてきた「業態」の枠が、軽々と越えられ始めている。

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