そうした傾向は軽以上のクラスにも通じる。スズキのスイフトは、2代目まではドアパネルが薄く剛性も低く、特にリアドアを閉めた時にパンッと響く音がいささか安っぽい印象で気になったことがあった。
しかし、3代目のスイフトはスズキの軽量化技術「HEARTECT(ハーテクト)」を用いたプラットフォームによって、軽量化を果たしながら各部の剛性も高められた。ドアの感触もしっかりとしたものになり、質感が高まった印象を受けた。
2016年に登場した3代目スイフトとそのプラットフォームシャーシ。従来はフロアパネルとメンバー(骨格)、それに補強が重なり、無駄な部分もあったが、メンバーを連続的にして補強を減らし、軽量高剛性を実現した(写真:スズキ)その後、さらに現行のスイフトへとモデルチェンジされた。装備の充実などによって重量は増えたものの、新型エンジンなどの投入によって燃費性能と走りの質感をさらに高めたのである。
そして昨年発表された技術戦略では、次世代以降のモデルで100キロの軽量化を目標に掲げた。だが現在、早くもその8割、すなわち80キロもの軽量化のめどがついたというから驚かされる。
ただし、この軽量化技術は、実際に量産車に採用されるまでにはまだまだ開発を重ねる必要がある。市販車として登場するのは2030年頃からだという。
そのため、ユーザーが軽量化の恩恵を受けるのは、まだ先の話。これから10年くらいかけて開発が続けられる。120キロの軽量化も見えてきたというが、それまでの間に新技術や新素材が登場する可能性も高そうだ。
スズキのこの「やる気」を見ると、クルマはどこまで軽くできるのだろうかと考える人も少なくないだろう。
BYDの軽EVは日本で売れるのか 苦戦が予想される“これだけの理由”
クルマのヘッドライトは明るいほどいいのか 「まぶしさ」を解消する最新技術
新型プレリュードは若者に売れない? それでも日本車の未来を切り開く理由
なぜ「ジムニーノマド」の注文が止まらないのか 変わりゆくクルマ選びの基準
クルマのブレーキはどう進化する? “最重要装置”の課題と未来Copyright © ITmedia, Inc. All Rights Reserved.
Special
PR注目記事ランキング