これはあくまで筆者の憶測に過ぎないが、セブンが社会に訴えたいメッセージをCMに盛り込もうとしたところ、ストレートにそれをやってしまうと「炎上必至」なので、あれやこれやと取り繕っているうちに、なんだかよく分からない世界観へと「迷走」してしまったのではないか、と思っている。そのメッセージは一言で言うと、こうなる。
「コンビニエンスストアを多文化共生の拠点とする」
「ハイ、移民推進派を発見しました。そんなに異文化共生がいいのなら日本から出ていけ!」というお叱りが飛んできそうだが、これは筆者が言っているわけではなく、コンビニ業界の「ビジョン」だ。
2022年、セブンなどが加盟している業界団体・日本フランチャイズチェーン協会が、コンビニを特定技能分野に追加してほしいと政府に要請したが、認められなかった。その際に用いられた資料「コンビニエンスストアの特定技能分野追加について」(2022年11月21日)の中に、この「ビジョン」が分かりやすく図で示されている。
まず、中央にセブンが配置されているが、興味深いのは店舗の周辺にいる人々だ。「従業員」は日本人、中国人、ミャンマー人、ネパール人と多岐にわたっているが、「お客さま」「地域住民」に関しても、日本人だけではなく、インドネシア人、ベトナム人がいる。さらに、「オーナー」も日本人だけではなく、モンゴル人となっている。
そして、このイメージ図の両サイドにはこんな文字が並んでいる。
(日本人として)多文化共生の理解
(外国人として)日本社会へのエントリー キャリアアップ 定着
「コンビニ=外国人定着の拠点」としていきたい業界の思惑は、このイメージ図がある2ページ前、赤字で書かれた「課題」からも分かる。
「留学生の4〜5人に1人がコンビニエンスストアでアルバイト」
「留学生が卒業後、日本で就業を希望してもその約半分しか就職できない→在留資格制度の運用見直し」
日本全国にあるコンビニが、まさかこんな形で「移民推進」を進めようとしていたことに背筋がゾッとした人も多いだろう。中には「セブンは不買だ!」と怒りが込み上げる人もいらっしゃるかもしれない。
そういう皆さんの反応こそが、あのような奇妙な世界観の「謎CM」ができあがった最大の理由ではないか、と筆者は考えている。
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