セブンが本来、社会に広めていきたいのは「多文化共生の拠点」としてのコンビニだ。日本人だけでなく、外国人オーナーが経営する店もあり、さまざまな国から来た外国人がアルバイトとして働くことで、日本に「定着」するための学びやキャリアアップなど、人生設計の場にもなっている。
しかし、今の日本社会は「日本人ファースト」が熱烈な支持を受けているので、そんなことをストレートに言ったら、「セブンは移民推進企業だ」などとレッテルを貼られ、どんな言い訳をしたところで中世の「魔女狩り」のように吊(つる)し上げられてしまう。
外国人オーナーや外国人バイトという演出は絶対NG、コテコテの日本人でいくしかない。しかし「多文化共生」というテーマはどうにか訴えていきたい。そこで苦肉の策としてひねり出したのが、40代のアイドルを「地球にやって来た宇宙人バイト」、人気女性俳優を「宇宙人の神様に似ているコンビニオーナー」に仕立て上げることではなかったか。
よく言われることだが、もともと「エイリアン」(alien)という言葉には、「外国人」という意味も含まれている。外国人バイトが、外国人がオーナーを務めるセブンで働きながら、質の高い商品に感動して、セブンを利用する日本人たちも幸せにしていく――。そんな基本コンセプトの中で「外国人」を「エイリアン」へと変換したのではないか。
もちろん、これは筆者の勝手な「憶測」ではあるが、セブンがもはや「エイリアン」の力なしに、事業を存続できないのは紛れもない「事実」だ。
2021年1月、「外国人集住都市会議」に参加したセブンのオペレーション本部加盟店サポート部グローバル人材支援 総括マネージャーはこう述べている。
「セブン-イレブンは国内2万店で約4万人の外国人材(内約3万人が留学生)に活躍頂いています」(出典:外国人集住都市会議SUZUKA2021)
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