食べ放題で「元を取ろう」とする客だけじゃない! 成長続ける「しゃぶ葉」が銀座に出店 “食のテーマパーク”が描く次の一手長浜淳之介のトレンドアンテナ(3/4 ページ)

» 2025年10月24日 16時05分 公開
[長浜淳之介ITmedia]

インバウンドからの人気も急上昇

 近年しゃぶ葉は、外国人観光客の間でも人気が急上昇しており、都内にある新宿や渋谷の店舗ではツアーの団体客を多く受け入れている。交通のアクセスが良く、街を歩く外国人が多い銀座は、グローバル旗艦店の出店に適した立地だと判断したのだろう。しゃぶ葉と同じフロアにある「くら寿司」のグローバル旗艦店が好調であることも、今回の出店を後押ししている。

 しゃぶ葉の都心の店舗では、コロナ前は中国からの観光客が中心だったが、コロナ後は多様化している。イスラム圏からの観光客も増えており、豚肉を使わないメニューも選べるようにしている。また、ディナータイムにはまぐろやサーモンなどの握りずしが食べ放題となるコースもあり、外国人観光客から特に人気を集めている。

 「自国ではラーメン1杯しか食べられないような値段で、これだけ楽しめるのは驚きだ」と話す旅行者も多く、コストパフォーマンスの高さが評価されているという。

しゃぶ葉のグローバル旗艦店の特徴は?

 しゃぶ葉のグローバル旗艦店には、他の店舗にはない特徴がある。

マロニエゲート銀座2店のストロングポイント

 まず挙げられるのは、和を強調した内装だ。コンセプトは“京町家料亭”で、瓦屋根風の外観や京染めののれん、黒と白を基調にした落ち着いたインテリアなど、日本文化を感じられる空間となっている。店内にはコイや梅の花をあしらった絵画や盆栽などが飾られており、日本らしさを演出している。

銀座の新店の内観

 海外からの顧客に対応するため、日本語に加えて英語や中国語、韓国語のメニューを用意。英語や中国語が話せるスタッフも常駐し、いつでも対応できる体制を整えている。

和を強調した内装

 メニューも通常店舗とは異なるラインアップとなっている。黒毛和牛食べ放題コース(平日ランチ3849円、平日ディナー4509円)や、生本ずわいがに食べ放題コース(平日ランチ1万2539円、平日ディナー1万3199円)をレギュラーメニューとして提供しており、特に黒毛和牛コースが人気だという。

銀座店では、外国人観光客が好むフライドポテトとチキンナゲットを用意(提供:すかいらーくホールディングス)

 サラダバーでは、外国人観光客が好むフライドポテトとチキンナゲットを同店限定で提供。アジア圏の顧客の味覚に合わせ、薬味BARには辛味や香味が強いサーチャージャンや塩だれ、フライドオニオンを追加した。

 さらに、欧米の顧客に対応するため、飲み放題には人気が高い日本酒を充実させており、「作(ざく)」などの希少銘柄も楽しめるようにしているのが特徴だ。

プレミアム飲み放題の日本酒(筆者撮影)

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