今回実際に足を運んで感じたのは、所沢駅は規模こそ大きいものの、いわゆる都心の「ターミナル駅」とは明らかに印象が異なるということだ。これは所沢市がオフィス街や繁華街としてではなく、住宅都市として発展してきたことが背景にあると感じられた。
実際、所沢駅周辺の商業施設は、都心でよく見るトレンド商品よりも、日常生活に役立つ商品やサービスを中心に扱っている。駅ナカを含む商業施設は充実しているが、あくまで“郊外の人口規模が大きい街にある施設”という印象だ。そして、その中心にある所沢駅もまた、“人々が暮らす地域の拠点としての駅”なのである。
その点においては、筆者が暮らす調布市とも状況が似ている。調布駅は京王線と京王相模原線の分岐駅で、駅前には商業施設も集まっている。そこで扱われているのは、日常生活に役立つ商品やサービスが中心だ。
所沢駅も調布駅と似ており、都心に近い場所にありながらも、ビジネスよりも生活に重きが置かれている。規模が大きい駅でありながらも、地域の日常に寄り添う駅であると改めて気付かされた。
帰りは午後2時52分発の準急に乗り、池袋へ向かった。車両は比較的新しい30000系で、車窓からは都会的な華やかな景色が見えた。その景色と対照的に、所沢駅には暮らしの時間が流れていることを、あらためて実感した。
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