約6割の日本企業で「人材不足」と「人材過剰」が同時に発生している──そんな結果が、アビームコンサルティング(東京都中央区)の調査で分かった。特に、30〜40代の働き盛り層で需給ミスマッチが顕著となった。
自社の状況について、89.8%が「人材不足」、63.6%が「人材過剰」と回答した。年代別で見ると、30〜40代に人材不足が集中する一方、人材過剰は40〜50代が多く、人材配置の構造的な歪みがうかがえる。
また、人材不足と人材過剰が同時に発生している企業は61.0%に上り、いずれも発生していない企業は4.7%にとどまった。
人材不足と過剰が同時に発生しているのは40代が最多(16.6%)となり、30代(13.6%)が続いた。アビームコンサルティングは「30代では約7割、40代でも半数以上の企業で需給ミスマッチが生じており、働き盛り世代の人材が十分に活用されていない」と指摘する。
いずれかの部署で、職務やポジションに求められる要件を満たしていない「アンダースペック人材」が発生している企業は約88.2%だった。同様に、職務やポジションに対し、本人が能力を持て余している「オーバースペック人材」が発生している企業は79.8%という結果に。特に30〜40代では、スキルと職務の不一致が顕著で、社内の人材流動性の低さがうかがえる。
報酬面では、約8割の企業で「成果と報酬の不一致」が発生していた。報酬が成果を上回る傾向は40〜50代に比較的顕著であり、逆に報酬が成果を下回るケースは30〜40代に集中した。ジョブ型雇用の導入が進む一方、年功的な運用が残っていることが背景にあるようだ。
アビームコンサルティングは「人材の量・質・報酬の3点で構造的なミスマッチが進行しており、事業変化に対して人材配置や職務設計が追随できていない」と指摘。今後は、戦略に基づき人材を動的に配置し、能力開発と越境経験を促すことで、組織の「ケイパビリティ」(組織として獲得すべき能力)を高める取り組みが不可欠としている。
調査は7月23〜25日、国内企業の人事・経営企画部門に所属する管理職500人を対象に、インターネットで実施した。
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