シャープは現在も鴻海グループが株式の過半数を握っている。そもそも大型パネルの市況は、コロナ需要の反動などにより2021年の夏頃をピークに悪化に転じており、シャープにとって再取得するメリットは小さかったはずだ。シャープがSDPという「お荷物」を押し付けられたような気がしてならない。
結局、SDPは業績悪化を理由に生産を停止している。一部はソフトバンクに売却済みで、データセンターとして活用する予定だ。積水化学工業が敷地の一部を取得し、ペロブスカイト太陽電池の生産工場として稼働させるとも発表している。鴻海主導でも堺工場を立て直すことはできなかったようだ。
山口伸
経済・テクノロジー・不動産分野のライター。企業分析や都市開発の記事を執筆する。取得した資格は簿記、ファイナンシャルプランナー。趣味は経済関係の本や決算書を読むこと。 X:@shin_yamaguchi_
衰退するシャープは「日本そのもの」か “世界の亀山モデル”が失敗パターンにハマった理由
なぜ「金の卵」を守れなかったのか 東芝と日立、明暗を分けた企業統治のあり方Copyright © ITmedia, Inc. All Rights Reserved.
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