なぜ虫の息だった観光産業がここまでの復活を果たしたのかというと、「外国人観光客は日本人観光客よりもカネを落とす」ということに尽きる。
日本人はカネを貯めて海外でぜいたくをするので、国内観光地ではそれほど派手にカネを落とさない。しかも、人口減少と高齢化が急速に進んでいるので、観光客の「数」も先細りだ。
そんな日本人観光客に依存していたので、日本の観光業は斜陽産業になったのである。外国人観光客を減らせば、どこからともなく日本人観光客が押し寄せてカネを落とす、というのは残念ながら典型的な「現実逃避」だ。
さて、このような話を聞くと決まって「そもそも観光なんかに依存しているのが日本衰退の原因なので、これを機に観光以外の産業を育てるべきだ」などと言い出す人が出てくるが、それも「現実」を見ると難しい。
「日本経済を支えるのは、ホンダやソニーなどのモノづくり企業」だと勘違いしている人も多いが、実は日本のGDPの7割を占め、就業者の6割以上が働いているのは「サービス業」だ。
日本企業の99.7%は中小企業で、その6割は社員数人から十数人の小規模事業者だ。日本人の7割はそこで働いている。そして、こういう小さな会社の多くはサービス業なのだ。
そういう産業構造の国なので、人口減少は経済に致命的なダメージを与える。サービスを受ける消費者が激減するからだ。トヨタのようなグローバル企業がどんなに成長して、過去最高の収益を叩き出しても日本は貧しいままなのは、この国が「内需」に依存していることも大きいのだ。
そんな「消費者激減」という課題に長年苦しまされてきた日本のサービス業が、少しずつだが息を吹き返したのは、外国人観光客という「海外から短期間訪れる消費者」のおかげだ。
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