夜間対応の無人化に成功した同社は、日中の対応でのAI活用を強化する方針で、五十嵐氏は「CTI(Computer Telephony Integration、コンピュータと電話を統合するシステム)との連携を進め、AIオペレーターを積極的に活用していく予定です」と展望を語る。
2026年に向けた目標は、年間2万2000コールの自動化だ。現在、日中だけで年間約10万件の入電があるが、そのうち約2割をAIで対応できるようにする計画である。
さらに、年間5万枚に上るFAX受注業務の自動化も、視野に入れている。AI-OCR(光学文字認識)を活用し、2万枚程度のFAXを自動処理することで、約40%の工数削減を目指す。
加えて、五十嵐氏が注目しているのが、電話対応で得られる顧客の声の活用だ。
「これまで、電話でいただいたお客さまの声をデータとして活用できていませんでした。AI導入により音声がテキスト化されるようになったので、今後はそのデータをマーケティングにも生かしていきたいと考えています」(五十嵐氏)
「コールセンターの仕事を、もっとクリエイティブなものに変えていきたいんです。AIの導入で、これまでの受け身だった対応から、攻めの営業へとシフトしていければと考えていました」──野明氏は、AI導入の狙いをこう語る。
同社が目指しているのは、コールセンター人材を活用した「インサイドセールス」の立ち上げだ。飲料業界は競争が激化し、人材確保も難しくなっている。一方で、同社には長年勤務するベテラン社員が多く、顧客との関係性は強固だ。この強みを生かし、AIに定型業務を任せることで、電話対応だけでなく、能動的な営業活動ができる組織への転換を図ろうとしている。
「最終的には、コールセンターのメンバーが、インサイドセールスとして活躍できる組織にしたいと考えています。AIに任せられる業務はAIに任せることで、人だからこそできる価値提供を目指していきます」(野明氏)
AIによる業務効率化を、人材の活躍の場を広げる「攻めの改革」へとつなげる。北陸コカ・コーラボトリングの取り組みは、コールセンターの役割を再定義する一つのモデルケースになるのではないだろうか。
月次報告180時間が「ゼロ」に パナソニック くらしアプライアンス社が挑んだVoC分析の改革
オペレーター1人で30社対応 “混乱現場”を救ったコンタクトセンター改革の裏側
野村が捨てた「資産3億円未満」を狙え SMBC×SBIが狙う“新興富裕層”の正体
年間4万件超の問い合わせ 築地本願寺のコールセンター改革、「傾聴」と「効率化」は両立できるか?Copyright © ITmedia, Inc. All Rights Reserved.
Special
PR注目記事ランキング