深川: 最初のころは、ほぼなにもしなかったですね。「場所はこちらで用意しますので、あとは自由に楽しんでください」といったスタンスでした。ただ、参加者の中には、自分から声をかけられない人がいまして。喫煙所でタバコばかり吸っていたり、スマホの画面ばかり見ていたり。
運営側としては、できるだけ多くの人に楽しんでもらいたい。参加して、満足度を高めてもらいたい。こうした思いがあるので、いろいろな仕掛けを考えてきました。もちろん、反応がよかったもの、そうでなかったものがありましたが、好評だった企画は続けつつ、改善を加えながら、現在のスタイルにアップデートしてきました。
土肥: 2012年から富山の遊園地でスタートして、ずっと同じ場所で実施してきました。ただ、2023年からは全国で始められていますよね。10年以上も富山の遊園地だけで行ってきたのに、なぜ全国展開しようと思ったのですか?
深川: 先ほど申し上げたように、初回は500人ほどが集まりました。その後も、参加者は順調に伸びていって、1000人を超えました。「じゃあ、次はどうしようか」という話になったときに、新型コロナの感染が広がって、開催できなくなりました。
2022年に3年ぶりに開催することが決まりましたが、集客がうまくいくかどうか不安を感じていました。ただ、その不安は杞憂(きゆう)に終わりまして、1600人も集まったんですよね。なぜ、そんなに人が集まったのか。ステイホームが長く続いたので、人と出会いたい気持ちが高まっていたかもしれませんが、個人的にはSNSの普及が大きいかなと思っています。
以前は、MCをラジオのパーソナリティーを務めている方にお願いしていましたが、コロナ後はSNSで人気のインフルエンサーにお願いしました。集客面でもポスターの枚数を減らして、SNSでの広告を増やしました。
3年ほど休んでいても、なぜ多くの人が参加してくれたのか。彼氏や彼女がほしいという若者は世代交代していくので、「夜の合コン」というイベントが飽きられにくいのではないかと思っています。
コロナ後でもたくさんの人が集まった。SNSの集客にチカラを入れた。参加者はどんどん入れ替わっている。こうしたことを踏まえると、富山だけにとどめておくのはもったいないのではないか。他の都道府県でも同じことを広めていくべきではないか。このように考え、他の遊園地にも提案に回りました。
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