東京商工リサーチの調査によると、11月末時点の「1ドル=156円前後」の為替水準について、経営に「マイナス」と回答した企業は41.3%(6151社中2546社)だった。業種別では「小売業」が55.7%と半数を超えており、事業規模を問わず、内需型産業を中心に円安の影響が広がっていることが分かる。
円安が「マイナス」と回答した企業の割合は、前回調査(2024年6月実施、1ドル=156円前後)の54.4%から13.1ポイント低下した。
企業規模別にみると、大企業は41.8%、中小企業は41.3%と、大企業が0.5ポイント上回った。前回調査では、大企業が49.5%、中小企業が55.0%で、それぞれ7.7ポイント、13.7ポイント低下している。東京商工リサーチは「円安が膠着(こうちゃく)するなかで対応が進み、一定の『慣れ』が生じている可能性も感じられる」と分析している。
「プラス」と回答した企業は、大企業が7.1%(35社)、中小企業が4.1%(237社)だった。輸出関連の寄与度の違いから大企業が3.0ポイント上回ったものの、現在の円安水準は、なお多くの企業にとってマイナスの影響が大きいことがうかがえる。
マイナス影響の割合が最も高かったのは、内需型の「小売業」で55.7%(332社中185社)だった。次いで「卸売業」が53.0%(1097社中582社)と、2業種で5割を超えた。
部材などの仕入価格が影響する「製造業」は47.7%(1493社中713社)、飼料などを輸入に依存する「農・林・漁・鉱業」は45.2%(53社中24社)と、いずれも全体平均(41.3%)を上回った。
望ましい為替レートについては、2963社から回答を得た。平均値は「1ドル=133.5円」(大企業136.2円、中小企業133.3円)、中央値は「1ドル=135.0円」(大企業140.0円、中小企業130.0円)で、いずれも現行の為替水準とは20円以上の乖離があることが分かった。
5円刻みのレンジ別では「120円以上125円未満」が19.8%(587社)で最も多く、次いで「140円以上145円未満」が17.3%(514社)、「130円以上135円未満」が16.1%(480社)だった。今年11月末時点の「1ドル=156円前後」を含む「155円以上」と回答した企業は、6.0%(180社)にとどまった。
規模別にみると、最多レンジの「120円以上125円未満」は、大企業が15.0%(212社中32社)だったのに対し、中小企業は20.1%(2751社中555社)と5.1ポイント上回った。一方、「140円以上145円未満」では、大企業が22.1%(47社)で最多となり、中小企業の16.9%(467社)を5.2ポイント上回っている。
本調査は12月1〜8日にインターネットで実施し、有効回答6151社を集計・分析した。資本金1億円以上を大企業、1億円未満(個人企業等を含む)を中小企業と定義している。
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