牛丼チェーンが始めた「ラーメン代理戦争」 なぜ“廃業だらけの世界”に飛び込むのかスピン経済の歩き方(4/6 ページ)

» 2025年12月24日 09時05分 公開
[窪田順生ITmedia]

牛丼チェーンがこぞって「ラーメンシフト」を進めるワケ

 少子化による人口減に加えて、社会人男性の中でおよそ400万人とボリュームゾーンを占めている「団塊ジュニア世代」(1971年から74年生まれ)が加齢によって、どんどんガッツリ系の食事を摂取する機会が減っているのだ。

 これは50代男性ならば身をもって感じているはずだ。40代までは牛丼をガツガツと平らげて、飲み会後の深夜ラーメンも食べていたのに、50歳を過ぎると、そばやパンで十分になってくる。居酒屋に行ってもビールで腹一杯になるので、冷やしトマトや刺身などの魚系ばかりになっていく。

 つまり、吉野家が「女性客増加」を悲願にしているのは、人口が最も多くて、これまで30年近く何かとつけて牛丼をガツガツ食べていた団塊ジュニアが、このマーケットから徐々にリタイアしていくからなのだ。

 そして、それこそが牛丼チェーンがこぞって「ラーメンシフト」をしている理由でもある。

松屋フーズが手掛けるラーメン専門店「松太郎 新宿小滝橋通り店」イメージ(出典:松屋フーズHDのプレスリリース、以下同)
しょうゆラーメン(左)と塩ラーメン(左)価格は各680円

 ラーメンは「国民食」といわれるだけあって、幅広い年代に人気がある。しかも店によっては男女比も半々というくらい、ラーメンを好きな女性も多い。もちろん、そういう「国民食」だからこそ、熾烈(しれつ)な競争が繰り広げられてしまう「レッドオーシャン」になっているわけだが、大企業の場合はそんな弱肉強食の世界で大きなアドバンテージがひとつある。

 それは「インバウンド」である。

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