ご存じのように今、日中関係は悪化している。中国政府が民間業者に訪日観光客を減らせと「命令」していたことも報道で明らかになり、中国に対して反感を抱く日本人も増えている。そういう人たちがネット上にあふれる「中国経済崩壊寸前ニュース」を見れば、「ざまあみろ」と胸がスカッとすることは言うまでもない。
人は「聞いていて気分のよくなる話」や「自分を肯定してくれる話」に目がない。つまり、中国経済がもっと衰退して、日本を脅した習近平国家主席が窮地に立たされて、権力の座から転がり落ちるような話をもっと欲しがるものだ。
「それの何が悪い!」と愛国心あふれる方に怒られてしまいそうだが、それはメディアにとって「ニュースを売るためのマーケティング」でもあるのだ。
中国に反感を抱き、中国経済崩壊のニュースに留飲を下げる人が増えることは、言い換えれば「反中ニュース市場」が開拓・拡大できたということである。
ビジネスパーソンならば詳しい説明はいらないだろうが、市場ができれば後は「刈り取り」をするだけだ。
つまり、中国経済がいかにひどい惨状で、格差が広がって、政府に不満を抱いている人が増えていて、習近平体制の執行部がアップアップで涙目になっているような「反中ニュース」をどんどん流すのである。それだけで視聴率やPVが勝手に上がっていく。
これが「マネジメント」で知られる経済学者のピーター・ドラッカー氏が「自然にモノが売れていく状態」と説明したマーケティングの真髄である。
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