ドラッグストアの大規模再編で、クリエイトSDが描く“勝ち筋”は?小売・流通アナリストの視点(3/4 ページ)

» 2026年01月05日 08時00分 公開
[中井彰人ITmedia]

店舗の柔軟性も特徴

 店舗フォーマットの柔軟性も、クリエイトSDの特徴だ。一般的なドラッグストアは医薬品・化粧品・日用雑貨の品ぞろえが軸となる。フード&ドラッグは、そこに食品を加えることで来店頻度の向上を狙う業態だが、クリエイトSDはその両フォーマットを使い分けられる点に強みがある。広い売り場を確保できればフード&ドラッグ型で出店しつつ、食品スーパーが新規出店時する際には食品売場を持たずテナントとして入る選択肢も採用。これにより、出店機会を逃さず、立地に応じて最適解を変えているのである。

 そして、食品スーパーの集客力を利用して、ドラッグ商材の売り上げを伸ばすというしたたかな出店戦略を採用できている。

 こうしたスーパーの中に入るタイプの発展形として、クリエイトSDはスーパーをM&Aし、自社内へ取り込んでいる。また、生鮮専門のスーパーなどとのコラボ店舗なども拡大している。

 2020年には、売上高44億円、川崎市内で5店舗を展開する「ゆりストア」を買収し、スーパーとクリエイトのフード&ドラッグを融合させた。また、「おっ母さん食品館」という生鮮特化スーパーなどを持つ千葉県柏市の三和とコラボした8店舗を展開。クリエイトの食品売場が、おっ母さん食品館となったような形で、生鮮食品の安さと鮮度をウリに、高い集客力を実現している。

おっ母さん食品館とのコラボ(出典:三和グループの公式Webサイト)

 当初は三和の展開エリアである柏方面が多かったが、最近では横浜市港北区の綱島にも出店して話題になった。各地の生鮮に強いスーパーなどとのコラボが定着すれば、今後のエリア拡大においても、競争力を発揮するはずだ。

統合はほぼ終わった、ドラッグストア業界

 ドラッグストア業界では、大手が中小を吸収する再編の時代はほぼ終わり、大手同士が連携しながら競争する局面に移りつつある。これからは、企業間の組み方そのものがカギとなり、規模の拡大よりも、どの企業と手を組むかが重要になるだろう。

 例えば、業界7位のクスリのアオキの大株主は、香港のオアシス・マネジメントが11%、イオンが9%である。そのため、2兆円規模となったイオン系ドラッグストアとの関係性に注目が集まっている。仮に、クスリのアオキがイオンとの同盟に踏み込めば、2.5兆円規模となる。イオンは規模と有力フード&ドラッグを一気に実現することになり、業界のパワーバランスは大きく変わるだろう。そうなれば、マツキヨココカラやスギHD、サンドラッグにも動きが出るかもしれない。各社の同盟関係が動くことで、クリエイトSDの運命も大きく変わるのである。

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