ドラッグストアの大規模再編で、クリエイトSDが描く“勝ち筋”は?小売・流通アナリストの視点(4/4 ページ)

» 2026年01月05日 08時00分 公開
[中井彰人ITmedia]
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クリエイトSDの目標は、覇権の奪取ではなく……

 クリエイトSDは、前期決算発表時に新中期経営計画を公表。2030年までに売上高6800億円、経常利益率5%、ROE12%以上という目標を設定した。その実現のために出店エリアを拡大し、北関東や甲信越への進出を強化する。

新中期経営計画(出典:クリエイトSDの公式Webサイト)

 これ自体の達成可能性は高いが、それ以上に気になるのは、この目標が覇権争奪戦からは外れたことを、自他ともに認めている点だ。2030年となれば、大手は兆単位の激突となっている可能性が高い。そのため、クリエイトが生き残れるかは、大手との同盟関係が前提になるだろう。そして、有利な同盟関係を確保するためには、この目標以上に規模や企業価値を向上させておくことが必要となる。

 気になる点があるとすれば、神奈川を中心に店舗展開するクリエイトは、まだコスモス薬品やクスリのアオキ、ゲンキーなどの全国区のフード&ドラッグと直接対決をしていないことだ。

クリエイトのライバルであるゲンキー(出典:ゲンキーの公式Webサイト)

 九州や北陸という、有数の車社会の中で鍛え抜かれたフード&ドラッグの生産性は非常に高く、クリエイトSDをはるかに上回る(図表5)。店舗あたりの損益分岐点売上(ドラッグ商材)は、クリエイトSDが2.67億円。それに対し、コスモス薬品が1.98億円、クスリのアオキが1.89億円、ゲンキーに至っては0.95億円と、かなり強力だ。エリアが違うため単純比較はできないが、フード&ドラッグ各社はクリエイトSDのドミナントにも出店し始めており、これから各地で激突することになる。

図表5。各社の損益分岐点売上(筆者作成)

 クリエイトは、今後急速に増えるであろう西日本のフード&ドラッグの攻勢から、首都圏南部ドミナントを守れるのか。クリエイトポイントを貯めている神奈川県民の私としては、クリエイトSDの健闘を密かに祈っている。

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