AI時代、「私文ホワイトカラー」はどう生き残る? 仕事を奪われない唯一のポジション(1/2 ページ)

» 2026年01月07日 06時00分 公開

 目覚ましい進化を続けるAIに、いずれ仕事を奪われてしまう存在として名が挙がるのが、「私文ホワイトカラー」。私立文系大学を出て、事務職と言われる仕事に就いたビジネスパーソンを呼称する表現です。

 そんな、特別なスキルを持たない私文ホワイトカラーがこれからの激動の時代を生き抜くためにどのように立ち回るべきか、現役のサラリーマンの視点で考察していきます。

私文ホワイトカラーがAIに仕事を奪われないためにできること

 私文ホワイトカラーがAI・ジョブ型・外注化にあらがう最大の方法は何か──。

 それはリーダー/プロジェクトオーナーとして業務の核になることです。これは本来的な意味でのリーダー/マネジャーになること、とも言い換えることができます。

 早速内容を見ていきましょう。

 私は外部コンサルタントと共同してプロジェクトに従事することが多いのですが、その時にプロジェクトを成功させるために重要なことがあります。それはプロジェクトの主導権は決してコンサルには渡さず、指揮命令系統の頂点には必ず自社の正社員が座らなければならないということです。

 過去にはこれができずに、主導権ごと渡してしまったプロジェクトもありましたが、軒並みひどい結果になっています。

 コンサルその他外部協力事業者には絶対にできないことがあります。それは社の利益を最優先に代弁することです。

 コンサルの立場では案件が成功裏に終わるということが必ずしも常に望ましいことではないのです。プロジェクトの成功により委託された内容が完了してタスクが消滅してしまえば、彼らは業務委託の終了によりそこでの仕事を失うことにもなるわけで、見方によってはダラダラと案件が継続していたほうが彼らの立場では喜ばしいこともあります。

 もちろん、成功報酬を中核とした報酬体系の設定など案件の座組をうまく調整できることもありますが、それにしてもコンサルと社としての完全な利害の一致ということは現実的には困難です。よって、一定のズレは補正し続けなければならず、そのためには社の利益を代弁する社員が必ず手綱を取らなければならない、ということです。

 この社員のことをプロジェクトの「オーナー」などと呼んだりします。

写真はイメージ、ゲッティイメージズ

 この例からも分かる通り、社として各種プロジェクトの枝葉末節部分については適切な管理をすることを前提にコンサルなどの外注先・あるいはAIを活用することも選択肢としてありますが、取り組みのコアとなる中核部分については基本的に自社正社員による内製でなければなりません。

 シンプルな話、生殺与奪の権を共同事業者だろうが、請負先だろうが、外注先だろうが、外に出せば必ず失うものがあり、社として重要な部分は自らの社員を充てなければなりません。そのためにプロジェクトの核としてオーナー業務を実施する人材だけは自社で育成、保持し続けるしかありません。そう。あなたがプロジェクトオーナー・業務の核としてふさわしいムーブができれば、企業はもはやあなたをAI代替もコンサル置換もできない、それを試みたところで損しかないのです。

 プロジェクトオーナーとは、ほぼイコールで、いわゆる部下を持つ「リーダー」を指します。そのロールは作業とは明確に区別されるものであり、作業が期日や前提を与えられて、その実現を目指すものであるのに対し、リーダーは目的に照らして期日や前提条件を自ら設定しタスク全体をコントロールしなければなりません。

 一方でその部下などの作業者は究極昨日採用されたアルバイトであっても作業としては可能だったりもするわけですが、リーダーはそうはいきません。

 逆を言えば、企業としてはリーダーさえ確保できれば、その下に昨日採用してきたアルバイトを何人かぶら下げたり、極論残りをAIに任せてプロジェクトを走らせたりすることもできる。要は、企業が各種のタスクを管理する単位としてのプロジェクトに対して、リーダー(オーナー)とはその核になる存在なのです。

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