コンサルもAIも踏み込めない「暗黙知」をどう得るか? “平凡な正社員”が生き残るための現実解(1/2 ページ)

» 2026年01月08日 06時00分 公開

 この記事は、『私文ホワイトカラーが AI・コンサルに仕事を奪われない働き方戦略』(株式会社板橋 東京中央支店著、かんき出版)に掲載された内容に、かんき出版による加筆と、ITmedia ビジネスオンラインによる編集を加えて転載したものです(無断転載禁止)。


 今現在、平凡なビジネスパーソンが将来的にAIに取って代わられないためには、どのような専門性を身につければいいのでしょうか。

 書籍『私文ホワイトカラーが AI・コンサルに仕事を奪われない働き方戦略』より、AI時代に生き残るための戦略についてお届けします。

数の減る椅子に選ばれるためには

 AIにできることは広がりつつあるといえど、まだまだ限度があります。また、外注人員はいつでも切れる代価としてマージンを取られている分、通常の社員よりはるかに高単価になってしまいます。そして何よりも案件を請けるかどうかの選択権が向こうにあるので、より高単価な案件が提示されれば翌期にはいなくなってしまうのです。

 要は、今までほどの規模ではないとは言え、一定規模の正社員については維持したほうが強い組織であり続けることは変わりありません。これから起きることは、ホワイトカラーの椅子が全くゼロになって消滅するというよりは、旧来の人材に先述の新たな都合の良い恋人たち(AI・コンサル)を加えた人材ポートフォリオのリバランスに過ぎません。

 その渦中のサラリーマン一人称目線で要求されることは、数の減る椅子にどうやって選ばれるか、または新しい恋人たちに置換されない仕事をするためには何をする必要があるか、それを戦略的に考えて実践していくことです。

 その答えとしてはさまざまなものが考えられますが、ここでは私自身の過去の経験も踏まえて3つの回答を導出しました。具体的には「リーダーとしてプロジェクトの核になること」「高解像度の専門性」「コミュニケーションコストの負担」です。

 ここでは、「高解像度の専門性」について考えていきましょう。

コンサルもAIも簡単には手出しができない領域

 「高解像度の専門性」(ドメイン知識)という言葉を見た瞬間に、違和感を覚えた方もいるかもしれません。「コンサルというのはそもそも専門家集団なのだから、彼らとその分野で戦うことは無理なのでは?」と。なるほど、その視点は1つの切り口によっては正しいです。ですが、別の切り口によっては誤りでしょう。

 例えば「パワポを作成してのプレゼンテーション」「ロジカルシンキングによる課題の整理」などだけで彼らに勝負を挑むことは、得策ではないことは私も同意します。これらの彼らが専門とするところや、世間からの需要の多さゆえに彼らが多くのメンバーに具備させるに至った領域で勝負しても、良い結果にはならないように思います。

 もちろんこれらのこともスキルとしては重要なので、われわれもサラリーマンとして持つべきではありますが、ここを唯一のよりどころにすることは今後かなりリスキーであることは間違いありません。

 ではもし勝負する領域が「大型機械の据え付けと撤去」「超特殊商材のオーダーメイドセールス」「高度で非公開の専門制度下でのバリューチェーンの見直し」などになったらどうでしょうか。

 東大卒で月単価数百万円のコンサルタントの存在価値は、これらの領域では新入社員とほとんど変わりません。これらに共通するのは、その内容がデータとして世間にほぼ流布しておらず、専門業務や体系的な知識が極めて強固なファイアウォールの中にしか存在しないという点です。これらは世間一般に「ドメイン知識」と言われるものであり、中でも特に文書化が難しい領域はコンサルもAIもそう簡単には手出しができない領域となります。

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