佐藤氏は今後の事業課題について「すでに並んでいる人が『抜かされる』のは、やはり一定のリスクをはらみます。この不満を解消するためには大手企業が運営する店舗や、商業施設単位での導入が必要になってくると考えています」
SuiSuiの「行列を抜かせる」という利点が、サービス成長の足を引っ張る可能性があるのだ。飲食店でのファストパス利用を、日本でも文化として定着させることが喫緊の課題となる。
こうした課題に付随して、飲食店のGoogleマップや食べログなどのWebサイトにネガティブな口コミが書かれる可能性も懸念しているという。導入店舗もその点は気にしており、佐藤氏は導入店舗と対策を話し合っている。
その一つとして、店頭に掲出しているSuiSuiのポップの変更が挙げられる。これまではメリットを分かりやすく訴求するシンプルなデザインだったが、ネガティブな印象を持たれないよう、イラストを入れるなどして、優しい雰囲気のデザインに変更した。
「ポップ以外ですと、接客の質の向上も重要です。抜かされた人が入店した際に雑な接客をされたり、料理の提供スピードが遅かったりすると、不満がどんどんたまっていく。逆に接客の質が高ければ、抜かされたという負の感情は多少小さくなると思うので、そこは店舗さんにお願いしています。実際、店員さんの視野が広がって、接客の質が上がったという声も導入店舗さんから聞いています」
SuiSuiによって飲食店は、行列を「収益」に変える手段と、これまで「いつも並んでいるから」と入店を諦めていた潜在顧客を獲得する機会を得た。追加料金を払って行列をスキップする行動はまだ少数派だが、少しずつ新たな選択肢として受け入れられていくかもしれない。
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