内装工事業の倒産が増加している。東京商工リサーチが調査を実施したところ、2025年1〜10月に発生した倒産は145件で、前年同期比11.5%増となった。倒産のピークだった2010年以降、2022年までは減少傾向にあったが、コロナ禍の支援策の終了とともに増加している。
近年の内装工事業の業績は、全体的に上向いている。内装工事を主業とする企業のうち、2019〜2025年の決算が分かる1万376社の売上高を比較した。2019年の3兆1227億5200万円から、2025年は3兆5516億9900万円と大きく上回った。最終利益は2019年が735億800万円、2022年は436億8500万円と落ち込んだ。しかし2025年は1111億4300万円まで回復した。
一方、受注の急拡大に資金調達が追いつかず、倒産に追い込まれるケースも目立つようになった。東京のある内装工事業者は2021年10月期の売上高1億8000万円に対し、2023年10月期は2億9000万円と大幅に増加。2021年10月期は80万円の赤字、2022年10月期は100万円の黒字、2023年10月期は800万円の黒字と増益を果たした。しかし急激な受注増に加え、焦げ付きが発生したことで資金繰りが悪化。破産に追い込まれた。
建設業は他業種に比べて、資金繰り弾力性が求められる。中でも内装工事は後工程のため、前工程で遅延が生じると、さらに回収が遅れるリスクがある。「近年は人手不足に加え、働き方改革で週休2日制への取り組みが強化され、遅延リスクが増加。自社の資金事情に合わせた、計画的な受注に取り組むことが重要となっている」(東京商工リサーチ)
2025年1〜10月に発生した内装工事業における新型コロナウイルス関連倒産は、25件(前年同期比19.3%減)だった。飲食店向け内装工事に強みを持つ内装工事業者はコロナ禍で受注が激減したが、ゼロゼロ融資でしのいでいた。その後も受注の低迷が続き、コロナ禍が収束に向かう中で物価高に見舞われ、破産に追い込まれた例も少なくない。
東京商工リサーチは「小・零細規模の内装工事業者は突発的な修繕など小さな工事にも柔軟に対応できるが、大型工事に入ると工期の最終仕上げを担当し、小規模なほど資金繰りは不安定になりやすい。内装工事業の倒産増は活況が続く建設業界の裏側で、人手不足や資材高騰のあおりを受けたピラミッド構造のシワ寄せかもしれない」とコメントした。
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