江藤氏は、dカード PLATINUMの設計思想を語る中で、意外な企業名を挙げた。「楽天カードさんは、さすがだなと思った」
「30年前、40年前は、ゴールドカードをレストランで見せるのが良い、プラチナカードをお店の方に渡すときにステータスを感じる、という方が多かった」と江藤氏は振り返る。だが、今は違う。「富裕層でも『楽天カードの一般カードを使ってます。これでポイント貯めて楽天市場でこのぐらい買えるんですよ』と言うほうが、スマートでお得ですよね、といった空気になった。ステータスを見せるよりも、それが自慢になってきた」
これは、価値観の転換である。かつてはカードの券面そのものがステータスだった。プラチナの輝きを見せることに意味があった。ところが今、消費者が誇りたいのは「いかに賢く得をしているか」である。高級カードを持っていることより、ポイント還元でいくら得をしたかを語るほうがかっこいい。そんな意識が広がっている。
この流れをいち早く捉えたのが、三井住友カードの「プラチナプリファード」だ。2020年に登場した同カードは、年会費3万3000円でポイント還元率に特化した設計を前面に打ち出した。基本還元率1%に加え、特約店では最大10%還元、年間100万円利用ごとに1万ポイントの継続特典も付く。「ポイント還元率特化型プラチナカード」という新たなカテゴリーを切り開き、プラチナカードの常識を塗り替える先駆けとなった。
dカード PLATINUMは、この流れをさらに推し進めた。NTTドコモが2025年8月に実施した調査では、プラチナカード保有者の86.3%が「ステータスよりもポイントなどの実利が重要」と回答。直近6カ月以内にプラチナカードを取得した人では、「ポイントのお得さ」を理由に挙げた割合が50.8%に達した。2人に1人が、ステータスではなく実利でカードを選んでいる。
江藤氏は、dカード PLATINUMのスローガンをこう説明する。「券面がプラチナじゃなくて、還元率がプラチナだ、と。そっちのほうがお得だし、実はかっこいいよね、という点がお客さまに伝わった」。プラチナという名前は残しつつ、その意味を再定義した。
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