リコーは「出社」をどう再定義したのか “集まる意味”を問い直した、これからの働き方(3/5 ページ)

» 2026年01月19日 06時00分 公開

AI時代の新たな概念

 なぜ、働く環境の整備が追いつかないのか。背景には、これまでの「働き方改革」の限界があるという。

 「従来の改革は、残業削減やリモート整備といった『負』の解消には成功した。ただ、それによって生まれた余白を、いかに創造的な仕事に転換するかという視点が不足していた」と菊地氏は分析する。

 実際、リコーが代表幹事を務める「はたらく人の創造性コンソーシアム」の調査によると、創造性の発揮を支援する日本企業は45%。米国の83%に比べると、投資姿勢には大きな差がある。

photo 創造性の発揮を支援する日本企業は半数以下(画像は「2023年 働く人の創造性アンケート調査=意識と取り組みの日米比較」より引用)

 この課題に対して、1977年に「機械に任せて人は創造的に」とOAを提唱したリコーは、AI時代の新たな概念として「ワークプレイスエクスペリエンス(WE)」を掲げている。

 業務の効率化をゴールとせず、そこから生み出した時間をいかにクリエイティブな活動にあてるかに主眼を置くものだ。

photo AI時代の新たな概念「ワークプレイスエクスペリエンス」

 このアプローチの特徴は、人とAIの主従関係をあえて再定義する点にある。AIを「主役」、人を「司令塔」と捉え、定型業務や事務作業は徹底してAIに任せる。

 人は正確な指示を出す側に回り、自身の価値観や感性を仕事に生かすことに集中する。AIが定型業務を担う時代、人に求められるのは「スキルではなくセンス」という考え方だ。

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