問題は、AIくささが強いアウトプットほど、仕事の価値を下げてしまう点だ。
上司や顧客は無意識にこう感じ取る。
「この人は考えずに仕事をしている」
「責任を持って仕事と向き合っていない」
「詰めが甘すぎる」
本人は効率化したつもりでも、「信頼残高」は静かに減っていく。かつては「素人くさい」ことが敬遠された。文章が拙い、デザインがあか抜けない、構成がバラバラ――。そういった未熟さは、確かにマイナス評価につながった。
しかし今は違う。「素人くさい人」よりも「AIくさい人」のほうが信頼を損なう時代になった。
素人くささには、少なくとも「本人が考えた形跡」があるからだ。拙いなりに、自分の頭で構成を考え、自分の言葉で表現しようとした痕跡があれば、「まだ未熟だけれど、努力しているな」と受け止めてもらえる。
しかしAIくささには、その痕跡が見えない。実は、影でかなりの試行錯誤をしているかもしれない。しかしその成果物を前にすると、どこにも人間の思考が見つからない。だから、受け手は不信感を抱くのである。
「まだ、外国人が書く、カタコトの日本語のほうが信じられますよね」
と、ある社長から言われたことがある。まさにその通りだ。先述したメルカリに出品したコートは、おそらく外国人だと思われる人に購入してもらった。日本人らしくないメッセージを書かれていたが、対応はスピーディーで、その後のレスポンスも誠実だった。
このように、多少カタコトであっても、自分の言葉で書かれたテキストには熱意がにじむ。しかし、完璧に整っていたとしても、AIくさい文章には「体温」を感じない。受け手は、その違いを驚くほど正確に見抜いていると私は思う。
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