累計200万台突破 「ゴリラのひとつかみ」から始まった、ゴリラシリーズはなぜ売れ続けるのか?(2/2 ページ)

» 2026年01月23日 07時30分 公開
[熊谷紗希ITmedia]
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調理雑貨や寝具にも「ゴリラ」

 「ゴリラのハイパワーシリーズ」のヒットを受け、健康・美容家電以外の領域へも展開している。2025年2月には、調理雑貨を扱う「ゴリ推し企画」を、さらに同年11月には寝具を扱う「ゴリラリラックス」を発表している。

 「当初は女性をターゲットにした健康・美容家電のみでゴリラシリーズの展開を考えていたのですが、社内でゴリラのキャラクターを使ってモノ作りをしていくうちに、新しい発想が生まれました。一般的な豆腐一丁(300〜400グラム)と同じ重さの軽量フライパン『ゴリラのひとつまみ』や、飲みすぎを防止する重さ約2キロの超重量ジョッキ『ゴリラのひとくち』といった商品案がたくさん生まれた結果、新しく『ゴリ推し企画』を作ることになりました」

 ゴリ推し企画シリーズでは軽量フライパンのほか、底が取れる洗いやすい水筒「ゴリラの底ヂカラ」(同2750円、320ミリリットル)や、ふっ素コーティングなどが施されたフライパン「金のゴリラのひと磨き」(同3058円、20センチサイズ)などを販売している。

底が取れる洗いやすい水筒「ゴリラの底ヂカラ」

 その後、ゴリラシリーズ拡大のため社内にプロジェクトチーム「TEAMゴリラ」が誕生。新商品開発のためにゴリラの生態をあらためて調べていたところ、ゴリラがよく眠る動物であることが判明。近年注目を集めている睡眠市場への参入を決め、ゴリラリラックスが生まれた。

 同シリーズでは、遠赤外線放射が認められている天然素材を使用したブランケット「ゴリラのハグ」(同3850円)や、通常のまくらの約1.5倍量にあたる800グラムの中わたを詰めたまくら「ゴリラのひとねむり」(同1万890円)などを展開している。

ブランケット「ゴリラのハグ」

 調理雑貨や寝具は特に競合が多い商材だが、どのように差別化を図っているのか。ドウシシャの担当者は「ゴリラシリーズでは『インパクトのある設計かつ、くすっと笑えるおもしろいエッセンス』という価値観を大事にしています」と話す。

 「確かに競合が多い商材ですが、フライパンなのに超軽い! というインパクトを与える設計や、パッケージに記載されたくすっと笑える一言など、SNSなどで拡散してもらえるようなポイントを作ることは意識しています」

 ゴリラシリーズは「ゴリラのハイパワーシリーズ」「ゴリ推し企画」「ゴリラリラックス」の3つで構成されており、これらを合わせた現在のラインアップ数は全19種類に上る。2025年10月にはシリーズ累計販売台数が200万台を突破した(2024年2月〜2025年10月、ドウシシャ出荷ベース)。

まくら「ゴリラのひとねむり」

 シリーズとして規模を拡大する中で、同社はどのような層の支持を集めてきたのか。

 ドウシシャの担当者は「ゴリラシリーズの主要購買層は20〜30代女性です。この世代は仕事や家事、プライベートなど公私ともに忙しく、『美容や趣味にもお金をかけたい』『家族や友人との時間も大切にしたい』といった価値観を持つ人が多い印象です。だからこそ、時間も手間もかけずに、生活の中で手軽に“ながら”で楽しめる・体を整えられるアイテムへのニーズが高いと捉えています」と説明する。

 秀逸なネーミングでヒットシリーズを生み出したドウシシャ。競合が多い領域でも、同社の「ゴリ推し」は通用するか。

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