大手の生産管理システムは、なぜハマらなかった? 中小製造業が仲間と作った「現場発システム」で売上3倍を実現(1/4 ページ)

» 2026年01月27日 07時30分 公開
[石田千尋ITmedia]

 中小製造業の広島メタルワーク(広島市)は、機械数を増やさずに2017年から約5年で売り上げを3倍に伸ばした。同社は、食品工場などで使用されるタンクや、放射線治療室の壁材などを製造する、板金・溶接加工を中心とした金属加工を手掛ける製造業者だ。

 同社の成長を支えたのは、最新鋭の機械設備ではない。過去には、数千万円規模の機械・IT投資に踏み切ったが、期待していた生産性の向上や現場のムダは解消されなかった。

広島市の中小製造業・広島メタルワークは約5年で売り上げを3倍に伸ばした(画像:以下、プロフェクト提供)

 転機となったのは、生産管理システム「TED」の導入だ。TEDは、製造現場に特化したクラウドシステムで、受注から出荷、在庫、原価、品質までをリアルタイムで一元管理できる。

 TEDを開発したプロフェクト(東京都港区)は、広島メタルワークを含む8社の中小製造業が2005年に共同で立ち上げた。製造業が抱える生産管理の非効率を解決するために、外部の専門家の助言を得ながら、2015年についに完成させたのがこのTEDだ。

 プロフェクトは、参画企業の製造現場にTEDを導入し、不具合改善や機能追加を重ねたうえで、2019年から本格的な外販を始めた。現在までの導入社数は27社に上る。メインターゲットは従業員100人前後の中小製造業で、これまでは板金加工業が中心だったが、2024年から幅広い製造業で導入が進んでいるという。

 広島メタルワークは、2017年にTEDを導入した。これまで他の生産管理システムでは成果が得られなかった同社が、なぜTEDでは生産性向上を実現できたのか。同社の前田啓太郎社長と、プロフェクトの内山裕大氏に話を聞いた。

TEDで受注入力をする様子
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