企業不祥事を防ぐコツは「昭和」にあり? 今こそ学ぶべき名経営者たちの教えと、注目すべき「現代企業」とは(1/5 ページ)

» 2026年01月29日 05時00分 公開
[大関暁夫ITmedia]

著者プロフィール・大関暁夫(おおぜきあけお)

株式会社スタジオ02 代表取締役。横浜銀行勤務時代、全銀協へ出向した際はいわゆるMOF担として、現メガバンクトップなどと行動を共にして政官界との調整役を務めた。06年に支店長職をひと区切りに退社、現在は金融機関、上場企業、ベンチャー企業のアドバイザリーとともに情報通企業アナリストとして活動している。


 戦後の高度成長を支えてきた企業(以下、昭和企業)での不祥事が、2000年から今に至るまで続発しています。古くは食品業界を震撼(しんかん)させた食品偽装から、東芝の不正会計、神戸製鋼や三菱電機などでの検査不正、さらにはトヨタ自動車をはじめとした大手自動車各社における認証不正など、組織ぐるみの不祥事が後を絶ちません。

 2025年は小型モーター製造の世界的企業・ニデックで組織ぐるみの不適切会計が明らかになり、現在、第三者委員会による調査が進められています。昭和企業での不祥事は、なぜなくならないのでしょう。

出所:ゲッティイメージズ

 これらの不祥事に関する外部機関の調査報告書では、判を押したように「組織風土に問題あり」という指摘が見受けられます。組織風土とはいうまでもなく、その組織に根付いた文化がつくりあげる雰囲気やムードであり、社内ルールやしきたりに大きく影響を受けます。

 特に経営者、実権者の影響力は強く、オーナー系企業では創業者や経営者の独善的な経営思想や強い経営姿勢が「社長には逆らえない」という圧力を生みます。非オーナー系企業では古くからの上位下達文化などに起因する「本社には逆らいにくい」というムードが不祥事の遠因になっていると、各報告書で指摘されているところなのです。

 また、「組織風土に問題あり」との指摘を受けた不祥事発生時の再発防止策についてもほぼ同様に、ガバナンス強化と心理的安全性の向上に関する施策ばかりが掲げられています。

 ガバナンス強化については、トップの暴走を食い止める、あるいは誤った経営判断を未然に正すなどの目的で、相互牽制(けんせい)を効かせることが主な目的です。心理的安全性の向上については、「誰もがいいたいことをいいたいときにいえる」風土を醸成し、現場においても誤った指示や行動をお互いに牽制できる体制をとろうというものです。

 しかしこれらの再発防止策は対症療法に過ぎす、根本的な問題の解決には至っていないと筆者は考えています。

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