「用事がないと話せない……」 気が小さい上司ほど“相談”という名の「高度な雑談」を活用すべき「キレイごとナシ」のマネジメント論(2/5 ページ)

» 2026年02月02日 08時00分 公開
[横山信弘ITmedia]

技術者だった自分が、営業までやることに

 この課長は、もともとITエンジニアとして20年以上キャリアを積んできた。コードを書き、システムを設計し、プロジェクトを回す。それが仕事だった。

 ところが最近、会社から「お客さまのところへ行ってほしい」「営業的な動きもしてくれ」と言われるようになった。課長は正直、困惑した。

 「技術の話ならできます。でも、用もないのにお客さまを訪問するなんて、何を話せばいいんですか?」

 「話すネタなんて、ないですよ」

 営業担当者は、なぜあんなに気軽に客先へ行けるのか。課長には不思議でならなかった。

家庭でも会話がない

 課長の悩みは職場だけではなかった。高校生の娘、中学生の息子。2人とも、ほとんど会話がない。朝、顔を合わせても「おはよう」ぐらいだ。夕食の席でも、子どもたちはスマホを見ているか、テレビを見ているか、のどちらかだ。

 妻からは、何度も指摘されている。

 「お父さん、何か話してよ」

 「どうして緊張するの? 自分の子どもでしょ?」

 しかし、何を話せばいいのか分からない。話題を振っても、いつも会話が続かないのだ。結局、黙ってしまう。その連続だ。

家庭でも会話が続かない

 課長は昔から気が小さかった。人と話すのが苦手だった。技術者という仕事は、そんな自分に合っていた。システムは論理で動く。人間関係のあいまいさに悩まなくて済んだ。

 しかし今、その逃げ場がなくなりつつある。部下を持ち、顧客と接し、家族とも向き合わなければならない。特に最近の若い人に対して、どんな話をしたらいいのか、まったく分からない。悩みは深まるばかりという。

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