では、既存のSaaS会社はどうすれば生き残れるのか。その答えは、表層的な「機能」ではなく、深層にある「データ」の収集だろう。
AIエージェントがいかに賢くなろうとも、判断材料となるデータがなければ動けない。例えば、帝国データバンクが保有する膨大な非上場企業の信用調査情報や、専門的な判例、あるいは特定の業界でしか流通しない商慣習データなどは、汎用的なAIがインターネットを検索しても決して手に入らない。
これからのSaaS企業は、自らの役割を「ツールの提供者」ではなく、AIに栄養を与える「高品質なデータの保有者」へと再定義しなければならないだろう。他社がアクセスできない独自のデータ資産を蓄積し、それをAIが使いやすい形で提供できる体制を整えること。これこそが、AI時代における参入障壁となる。
「SaaSは死んだ」のだろうか。
この問いに対し、筆者は「民主化した」と表現したい。なぜなら、SaaSで提供されている機能自体が不要になるわけでなく、誰でもその機能を作れるという変化が訪れる可能性が高いからだ。
今、経営者が問われているのは、自社の価値がどこにあるのかという見極めではないか。事業会社であれば、外部ツールへの依存を脱し、自社データを活用したAI内製化で業務の主導権を取り戻すべきだろう。SaaS企業であれば、不必要な機能を削ぎ落とし、独自データの価値を研ぎ澄まさなければならない。
学研が挑む"真のDX"──「本当に使われるデジタル」で目指す教育価値のバリューアップ
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