実務能力の次に壁となるのが、組織への適応力、すなわち「年下の上司や同僚とうまくやれるか」という問題だ。ここで多くの50代が面接で致命的なミスを犯す傾向にある。
それが「話しすぎ」である。
面接官の「どちらにお住まいですか?」という単純なアイスブレイクに対し、「世田谷の○○で、実は一軒家を建てるのに苦労しまして……」と、聞かれてもいない背景や身の上話を10分近く語り続けてしまうケースが後を絶たない。
面接でよく聞かれる質問には、以下のように端的に答えよう。
質問:「年下の上司から指示を受けることに抵抗はありませんか?」
回答:「はい、全くありません。年齢ではなく『役割』の違いだと認識しております。上司の方針を最優先に、実務を完遂することに徹します」
質問:「前職では部長職でしたが、今回はメンバーとしての採用になります。ギャップは感じませんか?」
回答:「いいえ、全くありません。今の私の目的は役職ではなく、自らの実務で御社に貢献することです。現場で手を動かし、成果を出すことに集中いたします」
質問:「若手社員の仕事の進め方に違和感があった場合、どう接しますか?」
回答:「まずはそのやり方の背景や意図を最後まで聞きます。自分の経験を押し付けるのではなく、組織の今の最適解を理解し、その上で必要な時だけアドバイスするよう努めます」
経験を積んだシニアのビジネスパーソンの多くは、自分の話を聞いてほしいという欲求が強い。しかし、面接は会話のキャッチボールであり、聞かれたことに「イエスかノー」で端的に答える。これだけで面接官の印象は劇的に変わる。
若い組織が求めているのは、自分の過去の栄光を語る「教えたがり」ではない。若手社員の愚痴を黙って聞き、「うんうん、そういうこともあるよね」と受け止められる、映画『マイ・インターン』に出てくる年配インターンのような、包容力のある大人だ。
自分が主役になろうとせず、「聞く9割・話す1割」を意識できるか。それが組織になじめるかどうかの試金石となっている。
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