オモチャにされる会見は“イジリがいのある要素”を持っている。プルデンシャルの例で言えば、まるでそのまま営業に出るかのような、ヨソ行きの格好だったことが、大きな構成要素となった。
こうした「分かりやすい異変」をフックに、謝罪会見がエンタメとして消費される例は、SNS普及以前から存在していた。
例えば、2007年に起きた高級料亭「船場吉兆」による食品偽装疑惑では、取材陣への回答内容を小声で指示する「ささやき女将(おかみ)」が話題となった。2000年の雪印集団食中毒事件で、当時の社長が「私は寝てないんだ」と発したシーンも、いまなお掘り返されている。
ここ数年でも、中古車大手ビッグモーターの保険金不正請求問題(2023年)での「ゴルフを愛する人への冒瀆(ぼうとく)」発言や、知床遊覧船事故(2022年)の「赤いネクタイで土下座」、セブン-イレブン系列の決済サービス「7pay(セブンペイ)」の不正アクセス(2019年)をめぐる「経営トップが(セキュリティー上重要であるはずの)“2段階認証”を知らなかった件」などが、オモシロ枠として扱われてきた。
これらの共通点としては、「状況の無理解」や「パワーワード」が視聴者に違和感を与え、それをそのままSNSに拡散できる“実況性”を備えている点が挙げられる。
また、フジテレビの10時間半会見のように、報道陣の質問でカオス化するパターンもある。いずれにせよ、会見がグダつくことで、視聴者の目的は「真相を追究したい」から「スカッとしたい」へと変わり、オモチャ化が加速していくのだ。
なか卯の「床に置かれた食器」問題 企業の沈黙が呼ぶ“将来の波紋”
メルカリ、悪質な転売への対策発表 しかし「手放し歓迎ムード」にならないワケとは
ローソンの車中泊は、単なる「場所貸し」ではない 見落とされがちな体験価値とは
倒産寸前なのに年収100万円アップ 売上38億円のV字回復を実現した、山梨のプリント企業の「決断と狙い」
「赤字ローカル線」と呼ぶのはやめよ 廃止すべきという人が見落としている論点Copyright © ITmedia, Inc. All Rights Reserved.
Special
PR注目記事ランキング