巨大な赤字を出している地方鉄道、いわゆるローカル線が増えている。こうした問題は、もはや一部の地方に限られた話ではない。
JR東日本は2025年10月27日、2024年度のローカル線の収支を公表した。対象は1キロ当たりの1日平均利用客数が2000人以下であった36路線72区間で、その損失額は約790億円に上った。
同社の2025年3月期決算での営業利益は3767億円と発表されており、それを踏まえるとこの損失額の大きさは見過ごせない。利益を最も重視する一般民間企業で、これだけの”不採算部門”は当然、事業の見直しの対象になる。ましてや、株式上場しているJRや大手私鉄各社ではなおさらだ。
鉄道会社における事業整理とは、主に路線の廃止である。現に収益の悪化を理由として消えた路線は、経営形態のいかんを問わず、無数に存在してきた。しかし「赤字だから廃止します」と安易には言えないのが鉄道の難しいところだ。
現状、ローカル線の損失は都心部の鉄道や小売業などの収益で補てんされ、運行が維持されている。これはJR東日本に限らず、他のJR旅客各社、私鉄各社においても同様の状況といえる。都営地下鉄など一部の公営鉄道を除き、民間企業である一方で、鉄道は同時に公共交通機関として極めて公益性が高い事業だからだ。
電気、水道、通信など同レベルで鉄道はライフラインとしての役割を担っており、なくなってしまうと住民の生活に重大な影響を及ぼす懸念がある。この点が、ローカル鉄道を経営していく上でのジレンマだ。ただ、主に自家用車やバスなど、他の交通機関によって代替が可能であるがゆえに、損失を経営上、抱え込めなくなってしまえば鉄道は消えてしまう。
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