仕事に不満を抱えながら最低限の業務にとどめる「静かな退職」に近い状態の人が一定数いる一方で、不満を抱えながらも手を抜けない層もいる――。クラウド型人事労務システムを提供するjinjer(東京都新宿区)の調査で、働く意識の二極化が進んでいることが明らかになった。
調査結果からは「静かな退職」という言葉だけでは捉えきれない、不満とモチベーションの間で揺れるビジネスパーソンの実態が見えてきた。
「静かな退職」とは、実際には退職していないものの、指示された最低限の仕事のみをこなすようになる状態を指す。自身がこの状態に近いかを尋ねたところ「明確にそう感じている」は6%、「ある程度そう感じている」は23%で、合わせて29%が「静かな退職」に近い状態を経験していると分かった。
こうした状況を反映するように、この1年間で仕事に対する「やる気」「やりがい」が「増えた」とした人は23%だった一方、「減った」とした人は25%だった。
また、働き方に「満足していない」と答えた人のうち、45%は「静かな退職に近いとは感じていない」と回答した。働き方に不満を持ちながらも、約2人に1人は依然として「最低限以上の仕事」をこなしている、もしくは意図的に手を抜くことができていない状況が浮き彫りになった。
働き方の変化としては「指示された範囲の仕事だけを淡々とこなすようになった」(26%)が最も多く、その他「自発的な提案や発言が減った」(23%)、「新しい仕事や挑戦を避けるようになった」(20%)が上位となった。
では、こうした「割り切れなさ」はどこで生まれ、何がモチベーションの低下につながっているのか。
モチベーションの変化や働く熱量に気付いてもらえる環境が「ほとんどない」とした人は36%だった。「一部あるが十分ではない」(27%)と合わせて、63%がモチベーションの変化を周囲に認識してもらえる環境が十分に整っていないと回答した。
「もう少しこの会社で頑張ろう」と思えるきっかけとしては「公平な評価や報酬への納得感」(33%)、「自分の成長やスキルアップを実感できた時」(32%)が上位だった。金銭的・待遇面での納得感と自己成長の実感が、離職を防ぎ、継続的なモチベーションを支える要因となっていることが読み取れる。
また、「仕事以外の時間(家庭、趣味など)も尊重されていると感じた時」(27%)も上位となり、ワークライフバランスへの配慮が、会社への貢献意欲につながっていることが示された。
調査は2025年10月17〜18日に実施。企業に勤める従業員1202人から回答を得た。
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