なぜあなたのAIは「当たり障りない」回答しかしないのか? Claudeを使って“頼れる相棒”に変える方法(1/2 ページ)

» 2026年02月24日 07時00分 公開
[冨田到ITmedia]

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この記事は、冨田到氏の著書『知的生産でAIを使いこなす全技法』(かんき出版、2025年)に、かんき出版による加筆と、ITmedia ビジネスオンラインによる編集を加えて転載したものです(無断転載禁止)。


 AIが出力する回答を「たいして参考にならないなあ」と感じたことはないだろうか――。

 生成AIを活用した調査代行サービスを提供する冨田到氏は「AIエージェントを役立てるためには、あなた固有の背景情報(コンテキスト)を与える必要がある」と話す。コンテキストの有無で、AIエージェントの回答がどのように変わるのか。また、そのような変化はなぜ起こるのか。

photo01 生成AIを有効活用するためには「コンテキスト」が重要になる(提供:ゲッティイメージズ)

AIを本当に生かすには、背景情報が必要

 AIエージェントの知性をあなたの仕事に役立てるためには、あなたの固有のコンテキスト(背景情報)を渡す必要があります。コンテキストとは、AIがあなたの質問や指示を正確に理解し、的確な回答を返すために必要な以下の「背景情報」「前提条件」「関連情報」のすべてを指します。

  • あなたの状況:業種、役職、抱えている課題、目標
  • 過去のやり取り:以前の会話の内容や決定事項
  • 専門的な知識:業界特有の用語、社内の方針、プロジェクトの経緯
  • 制約条件:予算、納期、技術的な制限
  • 判断基準:あなたの価値観、意思決定のパターン

 コンテキストを渡さなければ、AIエージェントはありきたりな回答を行い、あなたの悩みや興味関心に沿わず、ビジネスでもあまり役に立たない存在になってしまいます。

 ここでは、背景情報を生成AIに渡す技法を学び、AIエージェントをあなたの状況を理解した「パーソナライズされた相棒」にできるようにしていきます。

 本記事の内容を実践することで、あなたはAIエージェントから「あなたの業界や仕事に特化した実用的な提案」を引き出せるようになるでしょう。そして、この実用的なAIエージェントを、あなたの知的労働を代替する「思考装置」として育てていく技法をお伝えしていきます。

 コンテキストの入力の実験を通じて、同じ質問でもコンテキストがあるかないかで、AIの回答がどれほど変わるかを実際に体験してください。

コンテキストがなくてもアイデアは出るけれど……

 今回は、米Anthropicの「Claude」という生成AIを使ってみましょう。Claudeは他の生成AIサービスよりも速く過去のチャット履歴を検索したり、米Googleなどの外部サービスと連携して情報を活用したりと、ユーザーの背景情報を呼び出す仕組みを実装してきました。そのため、今回のテーマに適していると考えピックアップしました。

 claude.aiにアクセスして、コンテキストがあるパターンと、コンテキストがないパターン、2つのパターンで同じ質問をして、コンテキストの有無による出力の違いを確認していきます。

photo02 『知的生産でAIを使いこなす全技法』P.127より

 まずはコンテキストなしの単発質問をしていきます。新しい会話で以下のように質問してみてください。ここでは、まずはシンプルに役割と目的を与えてみます。

photo03 『知的生産でAIを使いこなす全技法』P.128より

 Claudeは以下のようなマーケティング戦略を提案してきました。

photo04 『知的生産でAIを使いこなす全技法』P.128より

 回答が長いので要約させたものを以下に示します。

photo05 『知的生産でAIを使いこなす全技法』P.128より

 マーケティングコンサルタントとして基本的なSNS活用の提案をしたり、令和というキーワードを読み取って、ユニークなアイデアを提案してきたりしたものの、果たしてこれは本当に有効なアイデアでしょうか。

 一見すると悪くはありませんが、あなたの顧客のニーズや会社、業界の特殊事情は一切反映されていないため、本当に良いアイデアなのかを判断することはできません。

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