イオンやオーケーとどう戦う? トライアルが西友統合で仕掛ける次の一手長浜淳之介のトレンドアンテナ(4/6 ページ)

» 2026年03月05日 15時00分 公開
[長浜淳之介ITmedia]

トライアルがライバル視するイオンは?

 トライアルがライバル視しているであろうイオンは、特に東京23区内を中心にミニスーパー「まいばすけっと」を2005年から展開してきた。2025年12月末時点で1290店舗に達している。まいばすけっとの2025年2月期決算は、売上高約2903億6000万円(前年同期比12.6%増)と堅調だ。

好調な「まいばすけっと」(出所:リリース)

 また、イオンは首都圏の地域スーパーを統合したユナイテッド・スーパーマーケット・ホールディングス(以下、USMH)を設立。マルエツやカスミ、いなげやなどを傘下に持ち、2026年3月1日時点で760店舗を展開している。

 こうした中、イオングループのPB「トップバリュ」の取り扱いは各業態で拡大しており、消費者が同ブランドに接する機会は確実に増えている。首都圏以外でもイオンモールなどで大量に展開されているが、まいばすけっとの出店攻勢もあり、首都圏での存在感が特に目立っている印象だ。

トップバリュには3つのブランドがある(出所:イオン公式Webサイト)

 USMH各社にも独自PBはあるものの、イオンの傘下に入ってからはトップバリュの比率が高まり、売り場の同質化が進んでいる印象が否めない。

 さらに、イオングループの収益の柱であるドラッグストア業界大手の「ツルハドラッグ」や「ウエルシア薬局」を擁するツルハホールディングスの店舗でも、トップバリュ商品の展開が広がっている。それに加えて、近年苦戦が続くコンビニ大手の「ミニストップ」や、ディスカウントストア「ビッグ・エー」でも同様にトップバリュの取り扱いが増えている。

 トップバリュがこれほどまでに販路を拡大しているのは、実力あるメーカーが製造を担い、市場に受け入れられている証拠でもある。しかし、業態の異なる店舗にまで全国規模で浸透していくことで、ブランドとしての「見慣れ感」が出てしまい、消費者を飽きさせてしまっている側面もあるだろう。

 結果として、PB本来の「その店ならでは」という特別感が薄れ、ある種のナショナルブランド化が進んでいる。その一方で、トップバリュの個々の商品がナショナルブランド並みのプレミアム性を持つほどではないのが、イオンの弱点と言えるだろう。

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