ここ数年で変わった企業の賃金 コロナ後も続く「賃上げ」の流れ(1/2 ページ)

» 2026年03月13日 06時00分 公開
[堀内ひろITmedia]

 東京商工リサーチ(東京都千代田区)は、「ベースアップ」に関するアンケート調査を実施した。その結果、2026年度の賃上げ実施率(見込み)は83.6%と、前年度より1.6ポイント増加したことが分かった。

photo 東京商工リサーチが調査(出典:写真AC)

 賃上げ実施率の推移を見ると、2018年度は82.2%、2019年度は81.0%と8割以上で推移。だが、新型コロナウイルスの感染拡大で、2020年度は57.5%まで大きく低下。以降は回復基調に転じ、2021年度70.4%、2022年度82.5%と持ち直し、2023年度は84.8%と期間中の最高を記録するなど、高水準の賃上げ実施率が定着してきた。

photo 賃上げ動向 年度推移(出典:プレスリリース、以下同)

 賃上げ内容別の実施率推移を見ると、2018年度以降は「定期昇給」が一貫して最も割合が高い。2018年度の63.7%からコロナ禍の2020年度には47.8%まで低下したが、経済活動の本格的な再開で人手不足が顕在化した2022年度は66.8%まで上昇、直近も6割強で安定的に推移している。

 コロナ禍前の実施率と比較し、変化が目立つのは「ベースアップ」。2018年度は35.5%、2019年度も31.0%と3割台で推移していたが、コロナ禍の2020年度は17.4%まで急低下。

 その後、2021年度21.2%、2022年度34.6%と回復に転じ、2023年度には47.8%へ大きく上昇、2024年度は51.4%と半数を超えた。2025年度48.8%、2026年度(見込み)46.8%と、やや低下したが、3割台で推移していたコロナ禍前の水準を大きく上回り、構造的な賃金底上げの動きが広がっていることがうかがえる。

 東京商工リサーチは「物価上昇や人材獲得競争を背景に、企業の賃金政策が『一時的対応』から『構造的引き上げ』へと転換していることが、この推移から読み取れる」とコメントした。

photo 全企業 賃上げ内容別実施率の推移
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