今回の『超かぐや姫!』のヒットを受け「配信から劇場公開へ」という流れは今後広がっていくのだろうか。数土氏は、一定の広がりは見込めるとしつつも「全ての作品に当てはまるわけではない」と指摘する。
実際、劇場公開から一定期間後に配信を開始すると、観客が配信へ流れ、劇場への客足が鈍るケースがあるという。今回の「配信が先」というケースにおいても、配信で満足してしまえば劇場に足を運ばなくなるリスクがある。
数土氏は「今回は双方で利益を奪い合う形にはなっていないものの、全てのケースにこれが当てはまるわけではない。作品によっては『配信で見るからいいや』となりかねないため、慎重にマーケティングしていかなければならない」と説明する。
重要なのは「映画館で体感する価値」をどれだけ打ち出せるかだ。『超かぐや姫!』のように音楽ライブ的な要素を持つ作品や、ファンの参加意識が高い作品は、劇場公開との相性が良い。一方で、1度配信で視聴すれば満足できる作品の場合、映画館に足を運ぶ動機は生まれにくい。
数土氏は「少なくとも日本においては、配信と映画館は単純な競合関係にはない」とみる。視聴者の動機が異なるためだ。好きなシーンを繰り返し視聴したり、生活の合間に楽しんだりできる点は配信ならではの価値である。一方、没入感や一体感といった体験は映画館でこそ得られる。
配信と劇場は対立するものではなく、それぞれ異なる役割を担う存在へと変化しつつある。作品の特性に応じて両者をどう組み合わせるか――その設計こそが、今後のヒットを左右する重要な要素になりそうだ。
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