店舗の拡大においても、同社は合理的なアプローチをとっている。2028年末までに、現在の338店舗から600店舗まで店舗を増やす目標を掲げているが、好立地はすでに競合他社に押さえられているのが実情だ。
そこで野村社長が展開しているのが「ヤドカリ戦法」だ。
「現在、マクドナルドさんはドライブスルーの多レーン化や駐車場の拡充を目指し、既存の立地からより広い場所へと移転を進めています。私たちはその跡地を狙っています」
また、昨今のデリバリー需要を受けて、デリバリー専門のサテライト型店舗を作る構想もあるという。
急速な出店拡大とブランド認知の向上により、バーガーキングはもはや「無名の後発」ではなくなっている。
「2028年までに600店舗」という目標が現実味を帯びれば、競合他社からの見られ方も変わってくる。これまで成長を支えてきた“弱者の戦略”は同じように機能し続けるのだろうか。
加えて、ゴールドマン・サックス傘下に入ったことで、ガバナンスやコンプライアンスといった観点もより重視されるようになる。これまでのようなスピード重視の経営に加え、次の売却などを見据えた経営体制への進化が求められる。
そこで同社が進めているのが、次世代リーダーの育成だ。野村社長は「自分のやり方をそのまま踏襲する必要はない」と語る。むしろ、自らの戦略や意思決定に対して「それは違うのではないか」と異を唱えられる組織作りが重要だという。
社内では「社長が言ったからやる」という判断を禁句とし、現場が自律的に考える文化の醸成を進めている。
バーガーキングは新たなフェーズに入っている。弱者として戦ってきた戦略を越え、“確固たる2番手”として選ばれ続けるブランドになれるか。その真価が、いま試されている。
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