小売業では、同一商品でも販売チャネルによって価格が大きく異なります。例えば、次の図表は大阪のある地域におけるチャネル別の価格比較です。
同一商品であるにもかかわらず、徒歩5分圏内でも店によって大きく価格に差異があることが分かります。最安値と最高値を比較すると、飲料は約2.4倍、ポテトチップスは約1.5倍、カップ麺は約1.6倍です。
これはたった一つの地域での差ですから、もっと広い地域別、曜日別などに細分化していくと膨大なデータ分析が必要になることは容易に想像できます。
こうした価格差は家賃、競合環境、物流コスト、客単価などの違いによって生じます。ドラッグストアのように、食品は薄利で集客商品とし、利益は医薬品や化粧品で確保するという商品ごとの役割の考え方によっても変わるでしょう。
小売業における同一商品のチャネル別価格差は、メーカーにとっても大きな課題といえます。エリア、チャネル、曜日、時間を細分化しリアルタイムで最適な価格展開を行う仕組みは小売・メーカーにおける重要議題なのです。
国内でダイナミックプライシングの導入事例は増えています。
佐賀県を基盤に食品スーパーを営む「まいづる百貨店」では、賞味・消費期限ごとに価格を変更するダイナミックプライシングの実証実験を行いました。同じパンでもラベルには「B:90円」「C:80円」「D:95円」など異なる表示があり、価格は開店前、午後1時、午後4時の1日3回、期限が近づく食品の価格を自動的に変更する仕組みです。
その結果、パンなどの対象商品では食品廃棄率をほぼ0%にまで削減する成果が確認されています。家電量販店のノジマでも、電子棚札を活用して本部から遠隔で価格を変更しており、即時反映する仕組みを構築しています。家電市場では店舗間のみならずECとの価格競争が激しいためこの仕組みによって価格競争力を維持しています。
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